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これが3位の試合か?

というのが率直な感想だった。

前節までJリーグ3位だったセレッソ大阪は、無得点のまま8位だった浦和レッズに敗れる。

しかも、90分を通じて、ほとんど見所らしい見所を作ることも無く。

セレッソ大阪、その快進撃とその終わり

今季、J1に昇格したばかりのセレッソ大阪は、ワールドカップの中断明けから快進撃を見せていた。

中断明けの初戦でサンフレッチェ広島に 5-0と大勝すると、そこからの 10試合を 7勝 2分 1敗とハイペースで駆け抜ける。
第 20節には、ついにリーグ2位にまで躍り出た。

そのセレッソの勢いに陰りが見えはじめたのは、前回の対戦で大勝したサンフレッチェ相手に引き分けた 22節から。
続く大阪ダービーに敗れると、さらにヴィッセル神戸にも引き分けて、3試合で勝ち点2とその勢いにブレーキがかかる。

一時期は首位の名古屋グランパスと5差まで縮めた勝ち点差も、今では 10にまで広げられてしまっていた。

ただし、この日の対戦相手だった浦和レッズも、確かに好チームだったことに間違いはない。
場所が埼玉スタジアムだったというのも、セレッソにとって不利に働いた部分もあっただろう。

それにしても、である。

セレッソのこの日の戦いぶりからは、首位争いをしているチームだという力強さがまったく感じられなかったのだ。

浦和レッズに喫した「完敗」

試合は序盤から、浦和レッズが主導権を握る展開。
早くも 14分には、レッズはエジミウソンが先制点をマークする。

その後はセレッソも反撃に打って出る展開に。

ところが、レッズの固い最終ラインが、その前に立ちはだかった。
鋭い読みでセレッソの攻撃を何度となく防いだ山田暢久を中心に、集中した守りを見せるレッズ DF陣に、ピンク色の軍団はことごとくチャンスを跳ね返された。

セレッソはこの日も、家長昭博とブラジルトリオを中心に攻撃を組み立てる。
しかし裏を返せば、その4人以外の攻撃パターンがあまりにも乏しい。

清武弘嗣は頑張っていたけれども、決定的チャンスには絡めず。
乾貴士に至っては、試合終盤まではほとんど消えていた。
攻撃をサポートするべき両サイドバックも、この日は全くと言っていいほど効果的なオーバーラップは見られなかった。

けっきょく家長とブラジルトリオに依存し過ぎたセレッソは、押し気味の時間帯があっても、レッズの最終ラインを脅かすまでには至らない。

逆に 79分、レッズの原口元気に、左サイドから中央に切れこんでの素晴らしいドリブルシュートを決められて万事休す。

終盤には人数をかけた攻撃を仕掛けるものの、時すでに遅く、セレッソ大阪が浦和レッズの前に完敗を喫したのである。

セレッソ大阪につきまとう「ポイントゲッターの不在」

順位表ではレッズよりも上位に名を連ねていたセレッソは、それとは真逆のゲーム内容で星を落とした。

そして僕が一番気になったのは、そのフィニッシュの部分の迫力不足である。

この試合のシュート数を比べると、レッズの6本に対して、セレッソは 10本。
シュート数ではセレッソの方が上回っている。

しかし、決定的なシュートはほとんど無かったと言っていいだろう。

今のセレッソは、ゴールゲッターが決定的に不足しているように感じる。

明確な点取り屋はアドリアーノだけ。
その後ろに控える3シャドーの家長、乾、清武も、シュート意識は高まってきているとは思うけれども、まだまだ物足りなさを感じてしまうのが実情だ。

惜しむべくはやっぱり、香川真司の不在である。

ワールドカップ直前の試合を最後にセレッソを卒業してドイツに渡った香川真司は、移籍前の 10試合では7ゴールを挙げて、Jの得点ランキングで2位タイにつける活躍を見せていた。
そしてドイツのボルシア・ドルトムントでも、8試合ですでに4ゴールと得点を量産している。

セレッソでその香川の穴を埋めている清武弘嗣をはじめ、家長昭博、乾貴士の3シャドーは、いずれも天才的なサッカーセンスを持った選手たちだ。
そのセンスは香川と同等か、むしろ彼らのほうが上だと言ってもいいだろう。

しかし、こと得点力という意味では、3人とも香川真司には遠く及ばない。
結果的にワントップのアドリアーノの負担が増えて、アドリアーノを潰された場合には、得点パターンが極端に減少してしまう。

そして、香川真司をタダ同然で放出してしまったセレッソには、その穴を埋める大物選手を連れてくるだけの資金力もなかった。

香川がいなくなった後に始まったセレッソの快進撃だけれども、やはりリーグ終盤の大事な局面で、ポイントゲッターの不在が表面化してきた格好となってしまっている。

セレッソ大阪が擁する、3人の『眠れる獅子』

勝負の世界に「たられば」が禁句なのは常識だ。
いまここに居ない選手のことを嘆いたところで、何が変わるわけでもないだろう。

しかしだからこそ、セレッソの3人の天才たちには、香川真司の不在を感じさせないだけの活躍を期待したいのだ。

乾貴士は先日、来シーズンの海外移籍の希望をセレッソ側に伝えたそうだ。

たぶん、同い年でセレッソではゴールデンコンビを組んでいた香川真司の活躍が、刺激となった部分もあるのだろう。
その志自体は、素晴らしいことだと僕は思う。

ただ、現状では乾のプレーが、海外移籍に値するものだとは言いがたいだろう。

チームでも良いプレーを見せられていないし、ザック・ジャパンの選考からも漏れた。

乾自身の一番良かった時期のプレーと比較しても、明らかに今はプレーの質が落ちてしまっている。

仮に海外のクラブに移籍できたとしても、ただ行くだけでは何の意味もない。
海外に行ったらそこで活躍しなければいけないし、そのためにはまずは国内で、それ以上の活躍を見せることが必要なのではないか。

僕は乾にも、家長にも、清武にも非常に期待している。

そして期待しているだけに、現状には不甲斐なさも感じてしまうのだ。

ザッケローニは「日本の選手たちの中に、まだ自分の能力を信じていない選手たちがいる」と語っていた。

この3人こそまさに、それに当てはまるのではないかと、僕は思っている。

本人たちにそれを言ったら、否定されるかもしれない。

それでも僕は思う。

彼らはまだ、気がついていないだけなのではないか。

香川真司と同じだけのことをやってのける才能を、セレッソ大阪の3人は持っている。

自分たちが『眠れる獅子』なのだという、その真実に。

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