ガンバ大阪と横浜マリノスの、J1首位攻防戦なんである。

こう書いても一般的には「そっかー、両チームとも今シーズンは好調だもんなあ」くらいの感想を持たれることが多いのかもしれないけれども、何を隠そう僕は横浜生まれの大阪在住なので、この2チームの首位対決というのは、かなり感慨深いものがあったりするのだ。
しかも、残り9試合というこの時期に!

この両チームはご存知のとおり、ともにJ1優勝の経験を持つ名門チーム同士なのだけれども、最後にリーグを制したのはガンバが2005年、マリノスが2004年と長いブランクがある。
特にマリノスはリーグだけでなく、この7年間タイトルそのものから遠ざかっていて、9月のこの時期に首位争いをするのは本当に久しぶりのことだった。

というわけで、横浜x大阪の首位決戦という『至極・個人的な待望の一戦』が、とうとう実現の日を迎えたのである。

「攻」のガンバ、「守」のマリノス

前節まで勝ち点53で首位に立っているガンバ。
同じく勝ち点50で2位のマリノス、という両者の首位攻防戦。

マリノスはここまで4試合負けなし。
ガンバに至っては何と10試合負けなしの4連勝中で、しかも3試合連続無失点中でもある。

この試合はまさに、リーグを代表する好調チーム同士の対戦となった。

そしてその期待度の高さを現すように、この日の日産スタジアムには、今季マリノスのホームゲーム最多となる37,725人の大観衆が訪れている。

ちなみにこの試合は、リーグ最高得点チーム(ガンバ)と最少失点チーム(マリノス)同士の戦いという側面も持っていた。
おのずと「攻撃のガンバ」、「守備のマリノス」という方程式が成り立つ。

そしてこのゲームは、まさにそんなデータが現す通りの展開となったのである。

マリノスの敷いた「ガンバ・シフト」

ゲームは序盤から、得意のポゼッションを見せつけるガンバのペースで幕を開けた。
対するマリノスはやや深い位置にブロックをつくり、そこからカウンターを狙う戦術をとってくる。
攻守のハッキリとした首位決戦が、序盤から展開されることとなった。

そしてまずは、優勢に立ったガンバにビッグチャンスが生まれる。
イ・グノが2回ほど迎えた決定機。
しかしこれは、紙一重でオフサイドやポストに阻まれて、ゴールには繋がらない。

逆にそんなガンバのアタックを浴びながら、マリノスは粘り強い守備でワンチャンスを狙い続けていく。

横浜マリノスは伝統的に守備の堅いチームではあるけれど、今季のマリノスは少し毛色が違っていた。
Jリーグを2連覇した岡田武史監督時代のようなカウンターサッカーに比べると、今シーズンの木村和司監督のチームは、より高い位置から激しいプレッシングをかけ、アグレッシブなディフェンスでゲームの主導権を握るスタイルという印象が強い。

ただしこの試合ではガンバの攻撃力を警戒してか、より慎重にディフェンスを固める戦法をとっていた。

そしてその粘りのサッカーは、前半に早くも実を結ぶことになる。

迎えた前半20分。
マリノスの左サイドでボールを持った谷口博之からのロングパスを、前線でポストに入った長谷川アーリアジャスールが落とした時、ボールの行方にはポッカリとエアポケットのようなスペースが生まれていた。

そしてここに入り込んだのが、マリノスのキャプテンマークを巻いた兵藤慎剛。

このボールのバウンド際を兵藤がハーフボレーで叩いた時、そのミドルシュートは鮮やかな弾道を描いて、ガンバのゴールに突き刺さったのである。

1-0。

劣勢だったマリノスがまさに “一瞬の隙を突いた” 一撃で、先制に成功した瞬間だった。

その後、当然のようにガンバは同点を狙って、さらに攻勢を強めていく。
これに対し、マリノスはより守備を固め、ゴール前に堅陣を築きにかかった。

マリノスの堅い守りを攻めあぐねるガンバ。
ガンバのアタックをしのぎつつ、長いボールを裏に入れて虎視眈々と2点目を狙うマリノス。

そして前半はこの状態のまま、マリノスが思惑通りの展開で折り返すこととなったのである。

ガンバが突き返した “一瞬の隙”

迎えた後半。
試合をコントロールしていたのは依然としてマリノスだった。

ガンバは加地亮、藤春廣輝の両サイドバックも高い位置を取って、サイドからの崩しを試みるも、中央にそびえ立つ中澤佑二・青山直晃の壁を突き崩せない。

ジワジワと、マリノスの仕掛けた『アリ地獄』にハマっていくような試合展開。
ガンバに何か変化が必要なのは明らかだった。

そこで西野朗監督は56分、二川孝広、武井択也に代えて、キム・スンヨンとアフォンソを同時投入する「賭け」に出る。

これで微妙な変化を見せはじめた風向き。
その効果は、驚くほど早く現れた。

交代からわずか2分後の58分。

ガンバが左サイドで得たスローインから藤春がクロスを上げる。
これを、中央に張っていたラフィーニャが “ドンピシャ” のヘッドで合わせて 1-1。

ここまでは鉄壁を誇っていたマリノスの守備に、この一瞬だけ生まれた綻び。

この時、ラフィーニャがフリーになっていた。

ラフィーニャはこれで、ガンバ加入後10試合で9ゴールという驚異的な決定力を見せつける。

この一発で、試合は再び振り出しに戻った。
そしてガンバ大阪は、この同点弾で完全に息を吹き返したのである。

ここからガンバは、ラフィーニャ、アフォンソ、イ・グノ、キム・スンヨンの外国人カルテットが前線をかき回し、マリノスに波状攻撃を仕掛けていった。

たまらずマリノスも選手交代でこれに対抗。
ツートップの小野裕二と渡辺千真を下げて、大黒将志とキム・クナンを投入する。

クナンの高さと大黒の決定力に、マリノスは勝利への望みをかけた。

しかしガンバの攻撃の脅威の前に、徐々にディフェンスラインが下がっていき、次第に完全に受け身に回っていくマリノス。
キム・クナンが前線で期待されたように起点となれず、ペースは完全にガンバのものになっていく。

ただしガンバもイ・グノ、遠藤保仁が際どいシュートを放つも、マリノスGK飯倉大樹のファインセーブに最後の最後で阻まれてしまう。

けっきょくロスタイムを戦っても勝負はつかず、試合は1-1のままタイムアップ。

注目の首位攻防戦は、両者譲らずの『引き分け』という結果に終わることとなった。

混戦模様のJ1リーグ

ともに “勝ち点1″ を分け合った両チーム。

しかし、この結果がより「痛かった」のはマリノスのほうではないだろうか。

ホームでリードする理想的な展開から、相手のエースをフリーにしてしまう痛恨のミスを冒して献上してしまった同点弾。

自分たちのスタイルを封印してまでこだわった勝ち点3が、手の平からこぼれ落ちてしまったショックは小さくはないだろう。

この結果、勝てば首位だったマリノスは逆に3位に転落。

ガンバは「勝ち点1差」に迫った柏レイソルの影を感じながらも、何とか首位の座に踏みとどまった。

ただし、残りはまだ8試合。

Jのドラマは、まだまだフィナーレを迎えるには早過ぎる。

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