Ornate Throne at Versailles

男子諸兄であれば、 “人生で達成したい、男の夢” の1つや2つはお持ちだと思う。

『真っ赤なオープンカーの助手席にブロンド美女を乗せ、ハイウェイを疾走したい。』
『太平洋のド真ん中で、モビー・ディックと呼ばれる巨大マグロを釣り上げたい』
『銀座の高級クラブで、ホステスの横っ面を札束で引っぱたきたい』
etc…。

その中でもおそらく上位にランクインされる(と僕が勝手に思っている)のが、『一度は “キング” と呼ばれてみたい』というものではなかろうか。

『キング』…。

唯一絶対の権力者を連想させる、この甘美な響き…。

この枕詞がつくだけで、パッとしない名前でも貫禄が漂ってくるから不思議なものである。
例えば、どうにも冴えないメンツが並ぶ、ここ最近の歴代総理大臣に適用してみると、

「キング・野田」
「キング・カン」
「キング・鳩山」

まあ若干の違和感は拭い去れないけれども、通常時に比べて約1.5倍のスケールアップ(当社比)が確認できたことだろう。

このように、「キング」と呼ばれることは男性にとって大きなステータスとなり得るけれども、それだけに、その実現は容易なことではない。

そして日本のサッカー界においても、「キング」の称号を与えられた人物はただ一人しか居ないのだ。
言わずと知れた三浦知良、「キング・カズ」である。

カズが「キング」と呼ばれ始めたのは、日本代表の絶対エースとして君臨していた’93年のワールドカップ予選の頃からだと記憶しているけれど、その呼び名が定着したのはもう少し後、カズがベテランの域に達し始めてからのように思う。
そしてその後、かの中田英寿や中村俊輔であっても、その冠に「キング」の称号が定着することはなかった。

単に「代表のエース」というだけの存在を超えた、”絶対的” かつ “カリスマ的な存在” になること。
それが、「キング」の称号を得るための条件だと僕は考えている。

しかし長らく空位となっていた “代表のキング” の座に、いよいよ座るかもしれない男が現れた。

そう、本田圭佑である。

本田圭佑、「キング」の座への入口に。

先日のヨルダン戦で、本田圭佑はハットトリックを達成した。
ワールドカップ・アジア最終予選での日本代表選手のハットトリックは、奇遇にもカズが4得点をマークした1997年のウズベキスタン戦以来のことである。

しかしもちろん、その一事をもって、本田が「キング」の後継者だと言うわけではない。

僕が本田圭佑をザック・ジャパンの「キング」候補だと考えるのは、そのプレーの存在感ゆえに他ならない。

ザック・ジャパンには現在、2人のエースが存在している。

本田圭佑と香川真司。

僕はこの2人を「ゴールデンコンビ」と呼んでいるけれど、実際にその実力は互角に近いと見ている。

それでも現在のところ、クラブシーンでより輝きを放っているのは香川真司のほうだろう。
ボルシア・ドルトムントでブンデスリーガ2連覇の中心選手となり、この夏にはいよいよ、世界でも5本の指に入るビッグクラブ、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が確実視されている。

対する本田は所属するCSKAモスクワでの契約に縛られ、希望する西側のビッグクラブへの移籍は見通しが立たない状況だ。

しかし日本代表でトップ下のポジションを与えられたのは、本田圭佑のほうだった。

もちろん代表で希望するポジションを与えられたからといって、それが本田が香川よりも優れていることを物語るわけではない。
単に適正という意味で、香川はサイドでもプレーできる柔軟性を持っていた、ということも大きな理由だろう。

本田もボランチでプレーできる柔軟性を持っているけれども、このポジションにはチームでこの2人に次いで重要な選手とも言える遠藤保仁が居る。
この3人を共存させるためには、現在のフォーメーションがベストだというのがザッケローニ監督の考えなのだろう。

しかしそれでも僕が、本田圭佑が最も「キング」に近い存在だと考えるのは、本田が日本代表で一番「替えの効かない選手」だと思っているからだ。

香川真司は確かにズバ抜けた選手に違いはないけれど、香川にもしもの事があった場合、その穴を埋める選手は居ないわけではない。
清武弘嗣や乾貴士のように、力量は香川よりは若干落ちたとしても、タイプ的にその代わりができる選手は何人かは存在するだろう。

しかし本田に関しては、本当に「代役の居ない」存在なのである。

本田が負傷で代表から離脱して以降、ザック・ジャパンがみるみる不調に陥ってしまったのは周知の通りだ。
その間、何人もの代役候補を試しながら、テストに合格したのは中村憲剛くらいなもので、本田不在時に代表の戦闘力がガクンと下がってしまうのは明白だった。

日本代表にそれだけの影響力を持った選手は、ここ数年は存在していなかったと言ってもいい。
大げさかもしれないけれど、かつてのフランス代表におけるジネディーヌ・ジダンと同じくらい重要な存在に、ザック・ジャパンでの本田圭佑はなろうとしているのではないだろうか。

「2人のエース」のライバル心

もちろん、本田圭佑がこのあと「真のキング」となるためには、まだ数々のハードルを乗り越えなくてはいけないはずだ。

そして、その最大のライバルである香川真司も、やすやすとその座を譲りはしないだろう。

香川がマンチェスター・ユナイテッドへ移籍するという報道への感想を聞かれた際、本田圭佑は「(香川)真司は世界のトップクラブでプレーするのにふさわしい。」と前置きした上で、「しかし、僕もビッグクラブでプレーするのにふさわしい選手だと自覚している。」と語り、そのライバル心を隠さなかった。

これだけの力量を持った選手が2人も代表に居ることは、僕たちファンからしてみれば頼もしいことこの上ない。
そして本人たちにとっても、お互いが切磋琢磨できる環境は、ある意味で非常に恵まれた環境だと感じているのではないだろうか。

幸いにも2人とも、互いの脚を引っ張り合うようなネガティブな思考を持ち合わせた選手ではない。
ポジション争いもプラスに昇華していける、一流のメンタルの持ち主たちだ。

本田圭佑と香川真司。

2人のエースによる、「キング」の座をかけた戦い。

そのハイレベルな争いが日本代表を、さらに高い次元へと牽引してくれることを、僕は期待しているのである。

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