関塚ジャパン、”100点満点” だったグループリーグ/ロンドン・オリンピック@U-23日本代表 0-0 U-23ホンジュラス代表

IMG_1599.JPGIMG_1599.JPG / Pixel Drip

関塚監督がもし、学ラン姿の中学生だったとしたら……今学期の通信簿は『オール5』で間違いないところだろう。
U-23のグループリーグ3試合は、ひとことで言って『完璧』だった。
今までこれほど日本の思惑通りに進んだ大会があったかな?と考えてみても、すぐにはちょっと思い出せないくらいである。

ホンジュラスと引き分けた日本は見事にグループリーグを1位通過に成功。
そして決勝トーナメント1回戦で、エジプトと対戦することになったのである。

“100点満点” だった関塚ジャパン

引き分けでも1位通過が決まる日本は、立ち上がりから慎重だった。
前線からのプレスも控えめで、攻撃も飛ばしすぎることなく様子を見ながら、それでもゴール前ではブロックを築いて相手の侵入を阻止する。
前半の終盤に2回くらい決定機を創られたけれども、それ以外はほぼディフェンスが破綻する場面はなかった。

僕がひとつ驚いたのは、関塚監督が5人のサブメンバーを先発起用したことである。
すでにグループ突破は決めていたので、主力を休ませることもある程度は予想できたけれども、1位通過が確定していない段階でここまで思い切った選手起用をしてくるとは意外だった。
それでも、サブを起用しながらキッチリと勝ち点1をゲットしたのだから「お見事」としか言いようがない。

ホンジュラスもブラジルとの対戦を嫌って1位通過を狙ってくるかな?と思いきや、後半は「とりあえず2位通過でもOK」とばかりにプレーを流してきたので、それが追い風になった部分も確かにあった。
それでも、ここまで完璧にゲームプランを実行したことは素直に素晴らしい。
グループリーグの関塚監督と日本代表に点数をつけるとしたら、文句なしに100点満点の優等生である。

ところでこうなってくると、次の目標はもちろん「1回戦突破」ということになる。
日本は狙い通りにブラジルを避けてエジプトと戦うことになったけれども、だからと言ってエジプトが「ボーナスステージ」だということは絶対にない。

思い返せば2002年のワールドカップでも……「トルコ?こりゃ勝てるだろう!」→ 0-1で敗退。
そして2010年のワールドカップでも……「よっしゃ、パラグアイに勝ってスペイン戦だ!」→ PK戦で敗退。

という悲しい歴史を、日本サッカー界は繰り返してきた。
エジプトは地力のあるチームなので、日本との実力差は互角に近いか、相手がやや上かと思われる。
実際に5月のトゥーロン国際大会でも、控え中心のメンバーだけれども、日本はエジプトと対戦して2-3で敗れている。
次の試合も全力で集中して行かなければ、痛い目にあうのは間違いないだろう。

ちなみにエジプトのサッカースタイルは、日本がグループリーグで対戦した相手の中で言えば、やっぱり同じ北アフリカのモロッコに近い。
カメルーンやガーナなどの、いわゆる「ブラックアフリカ諸国」のような爆発的な身体能力があるわけではないけれど、体は頑丈で球際に強く、足技のレベルも高い。
強引なドリブル突破にパスワークを絡めて、ゴリゴリ系の攻撃で押し込んでくるイメージだ。
攻撃力が高いので、ディフェンス陣がどれだけハードな守りを続けられるかが、まずはポイントになってきそうだ。

ただ、「相性」という意味では、日本がやりにくいタイプの相手ではないと思う。
グループリーグの3試合と同じようにしっかりとディフェンスを固めて、前線の永井・清武・大津を中心としたカウンターアタックを繰り出していけば、勝機も開けてくるだろう。

日本のキーマンを1人挙げるとすれば、やっぱり永井謙佑になりそうだ。
永井のスピードには、エジプトのDF陣もまともに行ったら対処できないと思われる。
それでも当然研究はされてくるので、永井にマークが集中することも考えられるけれど、その場合は永井をうまく囮に使って、清武・大津・東の2列目がゴールを狙っていく動きが必要になってくるだろう。

しかし、体力的には日本が有利。
油断さえしなければ、日本の勝利も充分に有り得るはずだ。

そして、このエジプト戦で勝てればベスト4。
そうなればいよいよ、メダルまではあと1勝ということになる。

エジプト戦は明日土曜日のゴールデンタイムに行われるので、日本のお茶の間はこの試合に釘付けになりそうだ。

とうとう迎えた決勝トーナメントの大舞台で、関塚ジャパンにはこれまで通りに、持てる力を存分に発揮して欲しいと思う。

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