Paris
Paris / Moyan_Brenn

いやー、泣きました。
もうね、泣きましたよ。

うーん、そう。泣いたなー。
て言うか泣いたよ。
もう泣くしかなかったんです。

そしたらYOU、泣いちゃえばいいじゃん!!

…と言うわけで、のっけからちょっと暴走してしまいましたが、なでしこジャパン、メダル獲得決定です!
オリンピックで初のメダル。そして決勝進出。さらに、フランスへのリベンジ達成。
もう言うことはないです。最高の勝利でした。

個人的には、ここまで来たらもう大成功。
決勝の結果がどうなろうと、なでしこジャパンには最大級の賛辞を送らせてもらいたいと思います。

日本がペースをつかんだ前半戦

舞台は “フットボールの聖地” ロンドンのウェンブリー・スタジアム。
オリンピック決勝進出をかけて、なでしこジャパンが強豪・フランスとの対戦に臨んだ準決勝。

ちなみになでしこジャパンは大会直前のテストマッチでもこのフランスと戦い、0-2で完敗している。
そしてこの時はそのスコア以上に、圧倒的に押し込まれたフランスのスピード、高さのインパクトが強烈だった。
試合全体を見れば日本にも良い時間帯はあったのだけど、フランスの身体能力は驚異的で、勢いに乗らせてしまうと手がつけられない、という印象が強く残った一戦だったのである。

そしてなでしこジャパンは、その時の「恐怖」の記憶とも闘いながら、この準決勝のピッチに立ったはずだった。

しかし日本にとってまず好都合だったのは、フランスがテストマッチの時のようには、立ち上がりからハイプレッシャーをかけてこなかったことだろう。

まずフランスは、大会前の時期に比べると明らかに連戦の疲れが溜まっていた。
準々決勝のスウェーデン戦でも運動力は少なかったので、この日本との準決勝でも「飛ばし過ぎると後半もたない」という思いがあったのではないだろうか。
さらに、日本が準々決勝のブラジル戦で見せたカウンターサッカーを見て、「あまり前がかりになると、自分たちもやられるかもしれない」という警戒心も働いていたような気がする。

とにかくフランスは、序盤は後方にブロックを築き、慎重に試合に入ることを選んだ。
そしてこれが、日本にとってはプラスに作用したのである。

フランスが圧力をかけてこなかったことで、本来得意とする「中盤でのボール回し」でリズムを作ることができた日本。
フランスがブロックを築いていたのでなかなかシュートチャンスは生まれなかったけれども、日本はある程度余裕を持ってゲームをコントロールしていくことに成功する。

そして、一見落ち着いていたゲームに変化をもたらしたのは、やはりなでしこジャパンの誇るあの「飛び道具」だった。
32分、日本はフリーキックのチャンスを得る。
蹴るのはもちろん、キャプテン・宮間あや。

宮間の右足から放たれたボールは正確な軌道を描き、フランスのゴール前へと飛んでいく。
これをキャッチに行ったフランスのゴールキーパー、サラー・ブアディ。
しかしブアディが、何とこれをファンブル。
そして、そのこぼれ球を大儀見優季が体で押し込んで、日本に貴重な先制点が生まれたのである。

さらに後半にも、宮間のキックが炸裂する。
49分、宮間の右サイドのフリーキックから、阪口夢穂がヘッドで決めて 2-0。
日本が理想的な展開に持ち込んで、試合をリードすることに成功した。

ここまでは「楽勝ムード」すら漂うほどの理想的なゲーム展開。
しかし崖っぷちに立たされたフランスは、ここからいよいよ、隠し持っていた『牙』をむくのである。

後半戦、フランスの逆襲

最初のきっかけは、フランスの選手交代からだった。

56分と58分、フランスは中盤に2人の選手、ボランチのカミル・アビリーとアタッカーのエウゲニー・ルソメを投入する。
そして、この2人の選手交代が、フランスの中盤のスタイルに変化をもたらした。
それまではスピードのある前線のマリー・ローラ・デリ、エロディ・トミたちに放り込むだけの攻撃だったフランスが、アビリーとルソメの投入によって、中盤でショートパスを繋ぐパスサッカーに変化したのである。
そしてこれをきっかけに、フランスの中盤にリズムが生まれていく。

ただし、日本としてもここまではまだ「想定内」の範疇だっただろう。
フランスにペースは握られていたけれど、ブラジル戦の時のような集中したディフェンスで、これを食い止めていく日本。
ところが1つのミスが、日本の歯車を大きく狂わせることになってしまったのである。

76分、阪口夢穂が中盤でトラップをミスし、ボールを奪われる。
そしてそのショートカウンターからデリ、そしてトミと繋いだフランスが右サイドを突破。
最後はクロスをルソメに決められて、失点を許してしまう日本。

これで日本は 1-2と、フランスに1点差に詰め寄られてしまう。

そして、ここからフランスの怒涛の攻撃が始まった。

動き出したゲーム展開に、俄然ヒートアップしていくスタジアム。
それに背中を押されるように、次から次へと日本のゴール前になだれ込んでくる、フランスのアタック陣。
日本はその圧力を前に、完全に押し込まれてしまう展開となった。

そして失点直後の78分。
阪口がペナルティエリア内でルソメを倒してしまい、主審の笛が鳴った。
判定はPK。

たぶんこの瞬間、ほとんどの人が「最悪のシナリオ」を覚悟したことだろう。
このPKが決まっていたら、日本はその勢いで、3点目も奪われていた可能性が高い。

しかし結果的に、このPKは外れた。
そしてたぶん、これがこの試合の行方を分ける最大の「分水嶺」になったのである。

ただし、PKを外してもフランスの猛攻は休まることはなかった。
同点ゴールを望む会場の雰囲気に呑まれていった日本は、完全に浮き足立って防戦一方に追い込まれていく。
終盤には187cmの超大型センターバック、ウェンディ・ルナールを前線に張らせて、パワープレーを仕掛けてくるフランス。
その怒涛の波状攻撃の前に、日本の最終ラインはペナルティエリアの中にまで下げさせられ、いつ失点してもおかしくないような時間帯が続いた。

しかし最後の最後で日本を救ったのは、守護神・福元美穂のスーパーセーブの数々だった。
フランスの際どいシュートを何度となくストップした福元の神がかり的な活躍で、日本はゴールを水際で死守していく。

そして、永遠のようにも感じられた15分間を耐え切って、試合終了のホイッスルが鳴った。
この瞬間、なでしこジャパンはついに、ファイナルへの切符を手にしたのである。

いざ、ファイナルの舞台へ。

フランスはやっぱり強かった。
しかし、僕は日本が実力で劣っていたとは全く思っていない。

まず、日本が完全に押し込まれたのは失点以降の15分間だけで、それ以外の時間帯はニュートラルか、もしくは日本が主導権を握る時間帯だったことがある。
確かにフランスがPKを外すなどラッキーな部分もあったけれども、そもそも実力が拮抗したチーム同士の戦いで、「運」が一切影響しないゲームなど、サッカーにはあり得ないだろう。
運も味方につけて勝利するのが、真の強者である。

またツボにはまった時のフランスの攻撃力は脅威的だったけれども、それは後がないフランスが捨て身の攻撃に出たからできたことでもあったし、同時にフランスもカウンターを食らうリスクを背負っていた。
それでも日本のディフェンスは、フランスに1点しか与えなかったのだ。

そしてサッカーは攻撃的だから「強者」、守備的だから「弱者」と単純に考えられるものでもないと思う。
両者の間にあったのは、フランスは攻撃に特長を持つチームで、日本はディフェンスに特長を持ったチームだった、というスタイルの違いだと僕は考えている。

そして、最後に勝ったのは間違いなく日本だったのだ。

ともかく、これで悲願のメダル獲得を確定させたなでしこジャパン。
宮間あやは試合後に涙を見せていたけれど、この試合がそれだけ重要な意味を持っていたという証だろう。

もちろん、まだ決勝が残っているのでここで満足してはいけないのだけれども、個人的には決勝はボーナスステージくらいのつもりで戦ってくれてもいいのでは、と感じている。
なでしこたちは充分に賞賛に値する結果を残したし、それに変な気負いが無いほうが、決勝でも伸び伸びとプレーできるんではないかという気がするのだ。

そして決勝の相手は、宿命のライバル・アメリカに決まった。

昨年のワールドカップ決勝でPK戦で勝利して以降、今年に入ってからの対戦成績は1勝1敗1分けと全くの五分。
しかし、最後の対戦では、日本が1-4と大敗を喫している。
それでもフランスに雪辱を果たした日本が、アメリカにはこのままやられっ放し、というわけにはいかないだろう。

アメリカと言うと、直近の試合では立ち上がりからハイプレスをかけられ、そこから猛攻を浴びせられた印象が強い。
しかし準決勝のカナダ戦を見る限りでは、アメリカもここまでの5試合で相当スタミナを消耗しているようだった。
ハイプレスをかけてくる時間帯はあるだろうけれど、それはそう長い時間は続かないとも考えられる。
ただし、日本もブラジル戦、フランス戦と押し込まれる試合が続いたことで、スタミナの消耗は激しいと思われる。
決勝は両者ともに限界に挑戦する、気力の勝負になりそうだ。

アメリカは今大会不調だったスピードスター、アレックス・モーガンがカナダ戦で決勝ゴールを挙げ、復調の兆しがあるのがやっかいだ。
カナダ戦を見ても、モーガンにスペースを与えると確実に仕事をしてくる印象である。
モーガンに走らせないためにはディフェンスラインをある程度低めにせざるを得ないけれども、その場合はもう一人のエース、アビー・ワンバックをゴールに近づけることになり、ワンバックの高さの脅威が増す。
熊谷紗希あたりがワンバックをどれだけ抑えることができるかが、ひとつのポイントになってきそうだ。

また、いまアメリカで一番好調なのは攻撃的MFのミーガン・ラピノーだろう。
カナダ戦でもコーナーキック(直接ゴールゲット)とミドルシュートから2本のスーパーゴールを決めるなど、3得点に絡む大活躍。
その正確無比なキックはモーガン、ワンバックへのパスの供給源にもなるはずで、ラピノーに対しては前線の2人と同じレベルの警戒をする必要がある。

アメリカの攻撃力は破壊的なので、ここまで5試合で2失点の日本も、ある程度の失点は避けられないかもしれない。
それでも、アメリカにペースを握らせない時間帯をどれだけ長くすることができるかが、試合の鍵を握りそうだ。

ただしその反面、アメリカのディフェンス面には隙も多い。

カナダ戦での3失点はハットトリックを決めたカナダのエース、クリスティン・シンクレアの驚異的な決定力にやられた面が大きかったけれども、全体として裏のスペースへの対応、カウンターへの対応には粗さも見られた。
日本はブラジル戦のようにカウンターからのゴールを狙っていくことがまず有効だろう。

その中で個人的に期待したいのはエースストライカー・大儀見のゴールと、日本の武器である宮間のセットプレー。
そして、この大会ここまで不発に終わっている大黒柱・澤穂希のがゴールが生まれるのかどうか、である。

決勝も間違いなくブラジル戦、フランス戦に匹敵する「死闘」になるだろう。

それでも、泣いても笑っても、残りはあと1試合。

北京オリンピックから4年間、この “ロンドンの決勝” に照準を合わせてきた佐々木ジャパンの集大成として、なでしこジャパンには全てを出して戦って欲しいと思う。

その上で、一番きれいな色のメダルを持ち帰ることができたとしたら、こんなに嬉しいことはないだろう。

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