20061219_195840_PC190887
20061219_195840_PC190887 / くーさん

フットサル日本代表
GK 川原永光
FP 小宮山友祐
逸見勝利ラファエル
木暮賢一郎
星翔太
SUB 富金原徹
藤原潤
北原亘
村上哲哉
稲葉洸太郎
小曽戸允哉
三浦知良
高橋健介
森岡薫
フットサル ブラジル代表
GK チアゴ
FP アリ
ネット
ヴィニシウス
ヴィルデ
SUB グイタ
フランクリン
ラファエウ
ガブリエル
シミ
ジェ
フェルナンジーニョ
ファルカン
ロドリゴ
1 4
13分 ウィルデ
21分 ネット
22分 ウィルデ
24分 ヴィニシウス
27分 稲葉洸太郎

岡田武史はその質問をされると、あからさまに機嫌が悪くなる。
「それ、もう1000回以上聞かれたよ。」

その質問とはつまり、
『なぜあの時、カズをメンバーから外したんですか?』

1997年のワールドカップ・アジア最終予選。
当時、代表の不動のエースだったカズは、初戦のウズベキスタン戦で4ゴールを挙げて “キング・カズ” の存在感を見せつけた。
しかしその後は一転、本大会直前までノーゴールの日々が続く。

だから、カズのメンバー落ちが全く予想されていなかったというわけではない。
それでも当時の日本代表の象徴的存在だったカズのワールドカップからの落選は、日本中のサッカーファンに少なからず衝撃を与えるものだった。

気がつけば、あれから早14年。
カズから代表エースの座を引き継いだ中田英寿はとうの昔に引退し、栄光のワールドカップ初出場メンバーたちも、現役を続けているのはわずか数名となった。

それでもカズ自身は、トルシエ監督時代の2000年に、33歳で代表に復帰するという快挙を果たす。
しかし翌年以降は再び声がかからなくなり、2002年の日韓ワールドカップでも選考外。
当時のカズが語った「2010年ワールドカップまで視野に入れている」という言葉は笑い話になり、実際に2010年を迎える頃には、さすがに43歳になったカズの代表入りは、現実味の薄い夢物語に近づいてしまっていた。

そんなカズも、いまでは45歳。

サッカー選手としては、10年以上前に引退していたとしても普通だとも言える年齢。
この年齢でプロとして続けていられる事自体が、ひとつの「奇跡」だと言ってもいい。

しかしそんなカズに、もう一つの奇跡が舞い降りることになろうとは、いったい数年前に誰が予想できただろうか。

フットサルという競技の現在地

「現役である限り、日本代表を目指す。」

これまでのキャリアで5つの国、10を超えるクラブでプレーしたカズ。
それでも彼が最もこだわったのは、ブルーのユニフォームに袖を通すことだった。
誰よりも日本代表を愛し、代表で一時代を築いたカズ。

しかしそのカズが一度もワールドカップに出場していない事実は、栄光に彩られたそのキャリアの中で、ポッカリと空いた大きな空洞のようなものだった。

そんなカズに、フットサル日本代表からのオファーが届く。

もちろんこれは、純粋にフットサル選手としての実力を買われてのものではない。
そして熱心なフットサルファンを中心に、門外漢であるカズが「客寄せパンダ」的に代表のユニフォームを着ることに対しては、一部で強い反発があったのも事実だ。

それでも日本サッカー協会とミゲル・ロドリゴ監督は、カズの参戦によるメディアへの影響力、そしてその経験を活かした精神的支柱としての効果を期待して、あえてフットサル選手ではないカズの代表招集に踏み切った。

そして実際に、その効果はまず「メディアへのインパクト」という面で確実な成果を上げることになる。

フットサルはいわゆる「マイナースポーツ」である。
それは日本国内だけでなく、世界的に言えることでもある。

今回のフットサルワールドカップはタイで開催されているけれども、開幕戦のタイ VS コスタリカ戦は地元タイ代表の試合にも関わらず、客席には空席が目立っていた。
ちなみに4年前のブラジル大会の時も同じような感じである。

世界で1、2を争う強豪国のブラジルですら、サッカーよりもずっとキャパシティの小さい体育館のスタンドを地元で埋められないのだから、「見るスポーツ」としてのフットサルはまだまだ根付いているとは言い難い。

もちろん日本国内でも、観戦スポーツとしてのフットサルの認知度は低い。

トップリーグであるFリーグの平均観客数は1,200人程度で、J1リーグの10分の1にも届かない。
僕の周りのサッカーファンの中でも、フットサルの試合を一度も観たことがないという人は多いし、世間一般ではフットサル選手の名前もFリーグのチームの名前も、1つも知らないという人が大半を占めるだろう。

実際のところ日本国内では、本当の意味でメジャースポーツと呼べる団体競技は、現状では野球と男子サッカーくらいしか存在していないように思う。

その次にはバレーボールやバスケット、または女子サッカーのように代表チームが人気だったり競技人口が多い「準メジャースポーツ」が続くけれども、これらも国内リーグがメジャー化に成功しているとまでは言い難い。

現時点でのフットサルは、さらにその次に続く、数多くの「マイナースポーツ群」に属する位置づけだと思われ、よっぽどのことが無ければテレビや大手新聞などのマスメディアで取り上げられることはなかっただろう。
オリンピックで活躍して一時的には露出が増えても、その人気を維持していくのに四苦八苦している競技が山ほどあるのが日本のスポーツ界の現状だ。
フットサルがそのグループから頭ひとつ抜けようと思っても、それは並大抵のことではないはずだった。

実際に4年前のフットサルワールドカップにも日本は出場しているし、その時もブラジルと対戦したのだけれど、フットサルファン以外でそれを知る人はほとんど皆無に近かったと言えるだろう。

しかし、フットサルには他のマイナースポーツには無い、ひとつの大きな「強み」があった。
同じ日本サッカー協会の管轄下にあるメジャースポーツ、サッカーとの密な連携が取れることだ。

そして今回、それが具体的な形となったのが、カズの代表入りとワールドカップ参加だったのである。

カズにとっての「フットサルワールドカップ」とは

前回大会チャンピオンであるブラジルとの対戦。
そして、カズのワールドカップデビュー。

日本にとっては話題性の多かった初戦は、1-4の黒星スタートとなった。

しかし前回大会での日本は、同じブラジルを相手に1-12のスコアで為す術もなく大敗している。
それと比較すれば、前半はオウンゴール気味の1失点だけに抑え、稲葉洸太郎のスーパーミドルで一矢を報いた今回の対戦は、内容的にもスコア的にも大きな進歩が見られた一戦だった。

それはもちろん、この4年間で選手たちが技を磨いてきた事の成果だと思う。
そして同時に、「カズ効果」によって世間からの注目度が飛躍的にアップしたことで、選手たちのモチベーションが大きく高まったことも要因としてあったのではないだろうか。

“外れるのはカズ、三浦カズ。”

テレビ画面から、それこそ数えきれないほどの回数がリフレインされたこの有名なフレーズは、当事者であるカズにとって、そしてたぶん岡田武史にとっても、その後10年以上も自らを苦しめる「呪縛」になってしまったように思える。

カズはこのフランスワールドカップでの落選について聞かれるたびに、むしろその5年前の「ドーハの悲劇」の事を思い出すらしい。

後半ロスタイムに同点ゴールを決められて、あと数分で叶うはずだった “ワールドカップ出場” という「悲願」がこぼれ落ちていった瞬間。
その時、ゴールに繋がるセンタリングを上げたイラクの選手のマークに付いていたのが、ほかでもないカズだった。

「あの時、自分の足がもう少し伸びていれば…。」

そんな悔恨の念にさいなまれながら、カズはその呪縛から逃れようと、それから20年近くもボールを追い続けてきたのである。

ただしカズ本人は、今回のワールドカップ参戦を「悲願のワールドカップ」として報道されることに違和感を感じているらしい。
カズにとっての悲願とは、あくまでもサッカーのワールドカップに出場することであって、フットサルのワールドカップがその代用にはならないということだ。

本来のカズはサッカー選手であってフットサル選手ではないし、一口にワールドカップと言っても、サッカーのそれとフットサルとでは規模も全く違う。
カズの感想はもっともだと思う。

それでは今回のフットサルワールドカップ参戦はカズにとって、シドニーFCでクラブワールドカップに参戦した時と同じような、単なる「ゲスト参戦」に過ぎないのだろうか?

本心はカズに聞いてみなければ分からないけれども、それでも代表の青いユニフォームを身にまとうことは、カズにとっても特別な体験なのではないかと個人的には信じたい。

そして、ドーハとフランスでカズが背負った十字架が、これで少しでも軽くなってくれていれば嬉しいと思う。

カズの全盛期を知るオールドファンとしては、ついついそんなセンチメンタリズムを、このワールドカップに重ねてしまうのである。

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