2年ほど前に高校選手権で、地元・神奈川の日大藤沢の試合を観に行ったことがある。
対戦相手は忘れたけども、日藤の選手たちの好プレーが印象に残った。

高校生の技術レベルは昔に比べれば信じられないほど上がっていて、三ツ沢のスタンドで至近距離から観た彼らのプレーは、素人の僕からすると思わず「うめー!」と叫んでしまうほど上手だった。
しかもそんな高い技術を持ちながら、体格も180cmを超えるくらい大柄な選手たちが、この時の日藤には揃っていたのである。

しかしご存知のとおり、日大藤沢は特に全国レベルの強豪校というわけではない。
けっきょくこの年の日藤は3回戦で敗退して、地元民以外にはこれといったインパクトも与えずに大会から去った。その後にプロ入りしたような選手も見当たらない。

そんなふうに高校レベルでは中堅チームの選手たちでさえ、生で観ればとんでもなく上手いのである。
裏を返せばプロの世界はそれ以上にレベルが高いのだと言うことだろうし、代表選手ともなればどれほど上手いのか、もはや想像がつかないくらいである。

そして、そんなサッカー選手たちの中でもトップ中のトッププロたちが集う大会、ワールドカップが先日閉幕した。
しかしワールドカップ後も息をつく暇もなく、世界のサッカー界は回りはじめている。

その2日後には、日本のトッププロたちが技を競う国内最高峰リーグ、Jリーグが再開されたのである。

「ワールドカップ基準」で観たJリーグ

久しぶりに観るJリーグは、何ともノドカな雰囲気だった。

そこにはワールドカップで観られた、国の誇りを背負う重みも、人生を賭けた選手たちの極限の緊張感も、ブブゼラの音色もない。
ただ2ヶ月前までは毎週見られた、日常の光景だけがあった。

それは例えるなら、しばらく旅に出てから久しぶりに我が家に帰ってきた時の、あの感じに似ていた。
旅の終わった寂寥感と、同時に感じられる安堵感。
寂しいけれどホッとする、 “いつもの風景” が帰ってきたのである。

けれどもその風景は、ワールドカップ前とは一つだけ違っていた部分がある。
観戦する側の僕たちは自然と目が肥えて、「ワールドカップ基準」で試合を観るようになってしまっていたのだ。

ワールドカップのフィルターを通じて観るJリーグは正直なところ、何かが欠けているように感じた。

『まだまだ物足りないぜ』。
若者向けファッション誌で性の悩みに答える北方謙三ばりに、僕はそこに物足りなさを感じてしまったのである。

もちろん、レベル的に世界基準より多少は見劣りするのは仕方がない。
しかし僕が気になったのは、プレーの質以外の部分である。
勝利に賭ける執着心も、ゴール前の集中力も、ワールドカップで観た世界のフットボールとこの試合とでは、まるで違って見えたのだ。

それは、日本の夏の蒸し暑さも原因の一つだったかもしれない。
両チームとも試合開始直後から汗だくになっていて、後半は明らかに運動量が落ちたように思えた。
秋冬制を提唱する犬飼会長の皮肉を帯びた笑顔が脳裏をよぎる。
ただ雪国の人たちの苦労を考えれば、簡単にその案に乗っかる気にはなれないけども。

こうしてJリーグ再開一発目となる関西ダービーは、けっきょく 1-1のドローで終わったのである。

4年後のワールドカップへ向けて

この試合で繰り広げられたのは、日本のトッププロたちによる、素人から見れば超人的とも言える技の競演にほかならない。

ただそれを分かってはいるけれども、本当にこれで満足してしまっていいのだろうか?
そんな疑問が僕の中に沸き上がってきた。

これまでノドカなJリーグの雰囲気を僕は好意的に捉えていたし、今後もそれ自体は変わらない。
でもそれはスタンドの雰囲気の話であって、ピッチの上ではそれ以上のものを求めていきたい。
ワールドカップを通じて、そんな欲が僕の中に芽生えてきたのである。

もちろん選手たちの技術が、一朝一夕に向上することはない。
しかし戦う姿勢やプレーの環境など、変えられるものも少なくはないだろう。
そして時間は、まだ丸4年あるのだ。

この4年間で、ワールドカップで世界との間に感じた差をどこまで埋めていけるのか。
その戦いがもう始まっている事を、僕は改めて痛感したのである。

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