早いものでワールドカップが閉幕してから 10日が経った。
休む間もなくJリーグが始まり、ロシアリーグでも早くも本田圭佑が始動している。
フットボールの世界は、すでに未来に向けて動き始めているのだ。
そして、こんなタイミングで僕はまだワールドカップの記事を更新しようとしている。
手付かずでいたグループリーグ第3節以降の試合の数々。
「もうそんな昔の試合、ええやんか」。
そんな至極当然なツッコミが聞こえてきそうである。
上のセリフを鶴瓶師匠あたりにポン、と肩を叩かれて言われたら、僕は迷わずキーボードを置いてしまっていただろう。
ただ、とりあえず備忘録も兼ねて始めた「ワールドカップ全試合レポート」。
せっかくなので合間を見ながら一試合ずつ書き続けていきたいと思う。
完成がいつになるかは…分からないけど。。
傑出したエンターテイナー、ディエゴ・マラドーナ師匠
この大会の後半の主役といえば、優勝したスペイン代表と言うよりは、占いタコのパウルくんだった。
パウルくんは決勝戦を含む全8試合の勝敗を的中。
その驚異の予測率に、世界中がパウルくんフィーバーに沸いたのは記憶に新しい。
ただ、パウルくんが最初から大会の「顔」だったわけではない。
開幕当初に話題をさらったのは、選手以上に目立つそのパフォーマンスで世界中のお茶の間(あるのか?)を笑いの渦に巻き込んだ、”ディエゴ師匠” ことアルゼンチンのマラドーナ監督である。
得点や警告など、試合のメリハリのあるシーンでは、もれなく期待通りのオーバーリアクションをとって、ファンを喜ばせたディエゴ師匠。
現役時代よりかなり恰幅の良くなった巨体も含め、まさに芸人に必要な要素を全て兼ね備えた、20年に1人の逸材だと言えるだろう。
その存在感の前には、現役最高プレーヤーのメッシも霞んでしまうほどであった。
そしてこの試合でも、ディエゴ師匠はキレキレだった。
立ち上がりから圧倒的に攻めながら、ギリシャ GKアレクサンドロス・ツォルバスのスーパーセーブ連発もあって得点を奪えないアルゼンチン。
しかしこのヤキモキさせる展開が、逆に師匠の芸人魂に火をつける。
後半77分、ようやく生まれた先制点に、喜びを爆発させるディエゴ師匠。
続く終了間際には、自ら後継者と認めたメッシの弾丸のようなドリブルシュートのこぼれを、愛弟子のマルティン・パレルモが押しこんだ追加点でテンションは絶頂に。
その巨体で華麗に宙に舞いながらコーチングスタッフに抱きつく師匠の姿を見て、スカパー!解説者の水沼貴史氏が「パレルモが決めて、本当に嬉しかったんでしょうねえ…」と笑いを通り越して若干引いている様子が、画面上の師匠との見事なコントラストを描いていて、忘れられない名場面となっていた。
この試合もグッドゲームだったけれども、それでももはや、試合について論じるのが馬鹿らしくなってしまうほどの傑出したエンターテイナーぶり。
選手として、とか監督として、とか関係なしに、これほど僕たちを楽しませてくれる存在は、師匠をおいてまず他にはいないだろう。
しかもこの勝利でアルゼンチンは3連勝、32チーム中で堂々1位の成績でグループ突破を決めたのだから大したものである。
ディエゴ師匠はいま、アルゼンチン協会から4年後のワールドカップまでの契約延長オファーを受けているそうだ。
これを師匠が受けるかどうかは分からないけれども、もし契約延長となれば、向こう4年間は世界のサッカー界はアルゼンチン代表を放っておけなくなるだろう。
うんまあ、ただ僕は、次はメッシを世界チャンピオンにしてあげられる監督に指揮をとってほしいというのも本音だったりするんだけれども…笑。
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