ストップ・ザ・過激サポーター/セリエA@ラツィオ 0-2 インテル・ミラノ

インテルが止まらない。
セリエA前節でローマから首位の座を奪い返したインテルが、盤石の戦いぶりでラツィオを下してその座をキープした。

死角のない強さを見せるインテル

ローマとライバル関係にあるラツィオが手を抜くんではないか?とも噂されていたこの対戦。蓋を開けてみれば、降格争いの渦中にあるラツィオは手を抜くどころか必死の守りでゴールを死守した。
GKネストル・ムスレラもファインセーブを連発し、前半終了間際まではインテルを0点に抑え込む。
しかしそこはやはり4連覇中のチャンピオン。前線が攻めあぐねると見るや、攻撃参加したワルテル・サムエルが頭で決めて均衡を破ると、後半にもセットプレーから加点し、けっきょくインテルが危なげなく勝利を収めた。
チャンピオンズリーグでもバルセロナを下して波に乗るインテルに、もはや国内で死角は見当たらない。かなりの確率でセリエA5連覇を決めるだろう。

ラツィオサポーターの奇行

ところでこのゲームで驚きだったのが、ホームのラツィオサポーターが、ライバルであるローマを優勝させたくないがために、何と対戦相手のインテルを応援していたことである。僕がテレビで見ているぶんには気がつかなかったのだけども、インテルが得点するたびにラツィオサポーターから歓声が上がっていたそうだ。
お国柄と言うかなんと言うか、日本ではちょっと考えられない光景である。
海外のサポーターは熱狂的だけども、反面、フーリガンなどの過激すぎるサポーターも存在するし、チームによってはサポーターが力を持ちすぎていて、選手の移籍金の一部がサポーターグループに支払われていたりする場合もあると聞く。
また最近では、メキシコでプレーするパラグアイ代表のサルバドール・カバニャスが、バーでサポーターに銃撃され生死の境をさまよう大怪我を負ったり、かつてはアメリカワールドカップでオウンゴールを決めてしまったコロンビア代表のアンドレス・エスコバルが、帰国後にサポーターに射殺されたような痛ましい事件も起きた。
こういう心ないサポーターの行為が、スタジアムをダーティーな雰囲気にさらしてしまっている部分も多いだろう。
それを考えれば日本は素晴らしく平和である。ビバ平和。
おっちゃんおばちゃんも若い女性も、みんなが当たり前にスタジアムに足を運べる。こんなに素晴らしいことはない。
不甲斐ないプレーにはブーイングも必要だけど、行き過ぎた熱狂は必要ない。
プロサッカーは選手とファン、その両方がいて初めて成り立つものだ。
僕たちファンはいかなる時でも、選手に対するリスペクトの気持ちだけは忘れないでいたいものである。

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