火蓋が切られた『サバイバル・マッチ』/東アジアカップ2015@日本女子代表 2-4 北朝鮮女子代表

※写真はイメージです photo by DozoDomo

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さて、この1年間でも色々なことがあったサッカー界ですが、直近のビッグニュースと言えば、やっぱり日本女子代表 ”なでしこジャパン” のワールドカップ準優勝になるでしょう。
残念ながら連覇はなりませんでしたが、苦戦を予想されながら決勝まで進出したなでしこの「経験」と「勝負強さ」を再確認できた大会だったのではないでしょうか。

そんな激闘を終えたばかりのなでしこジャパンですが、すぐ1年後にはもう1つのビッグイベント、リオ五輪が控えています。
高齢化が指摘されるなでしこが悲願の金メダルを獲得するためには、新戦力の台頭が是が非でもほしいところ。
今回の東アジアカップは、「1年後を見据えての若手の発掘」という、重要な課題を抱えて挑む大会となりました。

火蓋が切られた『サバイバル・マッチ』

今大会の日本女子代表は、ワールドカップのレギュラーメンバーは1人もいない若手主体の陣容です。
その初戦となった北朝鮮戦ですが、結果は 2-4 の敗戦でした。

と言っても、急造チームの日本が連携面で劣るのは分かっていたことなので、結果自体はそれほど気にする必要は無いと思います。
日本にとっては「個の力」で通用する選手を何人発掘できるか、が最大のミッションになると思われるので、この記事でもそういった視点で試合を振り返ってみたいと思います。

個人的に、この試合で一番光っていたと感じたのは、右MFで先発した増矢理花でした。
1得点を決めた事ももちろんですが、その得点も増矢のドリブル突破で得たフリーキックから生まれているように、チャンスメイクの部分でも大きくチームに貢献していたと思います。

増矢のプレーを見ていると、ドリブルやシュートなどのボールテクニックの高さもさることながら、DFラインの裏に抜けるようなフリーランニングの質が非常に高いことが分かります。しかもこれでまだ19歳。
正直なところ、今日出場したメンバーの中では、増矢のポテンシャルは頭ひとつ抜けているように思えました。違う表現で言うと、他の選手よりも一段高いところからサッカーを捉えているというような。

まだ10代なだけに、フィジカル面と、たまに消えている時間帯がある事は今後の課題だと思われますが、そのサッカーセンスを考えると「東アジアカップ以降」の候補に名乗りを挙げる可能性も十分にあるのではないでしょうか。

その他の選手では、やはり今大会の中では経験値の高い上尾野辺めぐみと、川村優理の2人の安定感は抜けていたように思います。

しかし、その他の選手は少しアピールに欠けた印象も受けました。
PKをストップした山根恵里奈と鮮やかなミドルシュートを決めた杉田亜未は光るプレーを見せましたが、試合を通じてもう少しコンスタントな活躍がほしかったところ。

ただでさえ18人しか登録できない五輪のメンバーは、ワールドカップの23人からも自動的に5人が削られます。
その狭き門を通ろうと思ったら普通のアピールでは難しいわけで、次戦以降はさらなる奮起を期待したいところです。

個人的に、特に物足りなさを感じたのはDFラインでした。
両センターバックの北原佳奈と高畑志帆は読みを活かしたカバーリングは光っていたものの、1対1での突破を簡単に許したことが失点に直結してしまいました。
また、両サイドバックで先発した高良亮子と京川舞も、京川がPKを与えた場面を除けば守備面はまずまずでしたが、本来この2人に期待されていた攻撃面での積極性がもっとほしかったように思います。

そして、今回スタメンで出場できなかった猶本光、柴田華絵、横山久美、田中美南などの若手たちも、次戦では活躍を期待したいところです。

今大会は23選手中18選手が代表キャップ数一桁台というフレッシュなメンバーですが、逆に言えば、今大会を最後に代表に呼ばれなくなる選手もいる可能性があるということです。

チャンスをチャンスで終わらせてしまうのか、それともこれをステップに、飛躍への足がかりとするのか。
残る2試合で、そのサバイバルを生き残る選手たちの輪郭が、よりハッキリとしてくるのではないでしょうか。

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