むかし(今も?)某保険会社のCMで、「お金は大事だよ」ということを歌った歌があった。そう、アヒルのアレ。

ちなみに言われるまでもなく、お金は誰にとっても大事なものだと思う。
しかしJリーグには、そんな大事なお金が無くて困窮しているチームも少なくない。

そしてこのたび、完全に財源が破綻してしまった2つのJチームがある。
この日の大分トリニータと東京ヴェルディの試合は、そんな借金苦にあえぐ両チームの対戦だった。

苦境に立たされるヴェルディとトリニータ

現在、トリニータとヴェルディがJリーグに借り入れている額は、それぞれ6億円と4億円と言われている。ともに昨年秋、トリニータはマルハン、ヴェルディは日本テレビという巨大スポンサーが支援を打ち切ったことにより、経営危機に追い込まれた。

ヴェルディはJリーグ開幕以降、それぞれ2度ずつのリーグ制覇と天皇杯優勝のタイトルを持つ名門。
トリニータも、2008年のナビスコカップを制した新興勢力だった。

しかしその栄光の裏で、どうも身の丈を超えるほどの強化費を投入していたらしい。

両チームとも、通常の企業であれば既に倒産していてもおかしくないような状態である。
しかし、かつて横浜フリューゲルスを消滅せてしまったという黒歴史を持つJリーグは、これ以上は極力チームを消滅させないよう、この両チームに救いの手を差し伸べた。

その結果、トリニータは「借金を返済するまでは、成績に関わらずJ1昇格はできない」、ヴェルディは「今シーズン終了までの暫定措置」、という条件付きながらも、Jリーグから強化費を借り入れることに成功し、とりあえず両チームとも最悪のシナリオは免れた格好となった。

しかし、この先の見通しは全く不透明である。
チーム消滅の可能性も、無くなったわけでは全くない。

逆境をモチベーションに変えた好ゲーム

そんな重荷を背負ったチーム同士の対戦を前に、僕はかなり悲壮感ただようゲームを想像していた。
来年には所属するチームが無くなってしまうかもしれないという不安から、選手たちは顔に縦線はいりながら、迷い多くプレーしているんじゃないかと、勝手に気を揉んでいたのである。

しかし、この想像は全くの杞憂に終わった。
ピッチの上の選手たちは、悲壮感とは無縁の溌剌としたプレーを見せてくれていたのだ。

いや、もしかしたら彼らの中にもネガティブな感情はあったのかもしれない。
しかし両チームの選手たちは、その現実を受け止めながらも、それをモチベーションとして前向きなパワーに変えていたように僕には思えた。

2つの灯火を消さないために

試合は両チームともに一歩もひかない好ゲームとなった。

トリニータのチェ・ジョンハンとヴェルディの河野広貴の挙げた得点はともに素晴らしいゴールで、来場したお客さんたちは大いに満足したんではないだろうか。
とても経営的に瀕死の状態にあるチーム同士の対戦とは思えないほど見ごたえのある、プロの興行にふさわしいゲームだったと僕は思う。

いま世間のサッカーに関する報道は、開幕まで1週間を切ったワールドカップ一色である。
その陰で、ひっそりと行われたJ2のこの試合。

しかしこのゲームは、チームの存続を願う両軍のサポーターたちからしてみれば、ワールドカップよりもずっと重みのある大切な試合だったのかもしれない。

ワールドカップはもちろん、世界中の人々が注目するサッカー界最大のイベントである。
しかしその華やかな舞台を支えているのは、世界中に星の数ほどもある、名もなき中小クラブの存在だと僕は考えている。
そしてトリニータとヴェルディも、そんな小さなクラブチームのうちの一つに数えられると思う。

たとえ小さくともその火を消さないために、いま両チームのフロント、選手、サポーターたちは、全力で戦っているのではないだろうか。

僕もいちサッカーファンとして、両チームの存続を切に願っている。

この日のゲームで見られたような選手たちの頑張りが、来年以降の両チームの復活に繋がってくれるのであれば、それはある意味で、ワールドカップのベスト4と同じくらい価値のある事ではないかと僕は思うのだ。

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