「て言うか、何でベトナム?」

このマッチメイクを目にした時、根拠はないけど85%くらいの人がそう思ったことだろう。
そしてこの疑問に対する答えは、けっきょく試合が終わった後も見つかることはなかった。

世の中には「科学では説明できないことがある」そうだけど、もしかしてこのマッチメイクもその一種なんだろうか?
そう、これはきっとプリンセス・テンコーに仕組まれたイリュージョンなんだ!
じゃなきゃザック・ジャパンが、こんな不甲斐ない試合をするわけがないじゃないか…!

…と、そんな現実逃避も虚しく、ファンに付きつけられた「1-0」というしょっぱい結果。
ベトナムのサッカーは熱狂的な人気に支えられていて、最近順調に強化が進んでいることは、以前にU-19の記事でも触れたことがある。

それにしてもアジアチャンピオンのA代表が、ホームでこの辛勝はいただけない。
そして結果以上にピリっとしなかったゲーム内容。

ザックを擁護するわけではないけれど、ついつい穿った見方をしてしまう。

この試合は、そもそもザックが望んだものではなかったのではないか、と。

疑問の残ったマッチメイク

この試合の一番の目的は、4日後に控えるワールドカップ予選・タジキスタン戦の調整試合をこなすことだったと思われる。
しかしこのベトナム戦の開催が決まった時点では、ワールドカップ予選はタジキスタンではなくてシリアと対戦するはずだった(その後、シリアの不正発覚によってタジキスタンが繰り上がりで3次予選に進出)。

ベトナムは決して弱い相手ではないけれど、中東のシリアとは若干スタイルが異なるし、「なぜここでベトナム?」という違和感は当初からあった。

ちなみに先月、Jリーグがテレビ放映権を東南アジアに売り込んでいくというニュースが流れたけれど、ついついその辺との絡みを詮索してしまったりもする。
いずれにしても、ほのかに “大人の事情” の匂いが感じられるマッチメイクだったというのが実際のところだろう。

そしてザッケローニ監督は、そんな「もしかしたら本人は望んでいなかったかもしれない」ベトナム戦を、調整試合と言うよりは「テストの場」にしようと考えたようだった。

もともと故障で本田圭佑、内田篤人、岡崎慎司たちが外れていたけれども、ザックはさらに遠藤保仁、川島永嗣、吉田麻也といったレギュラークラスをベンチに温存(遠藤は軽傷持ちだったけれども「自分は出るつもりだったんですけど…」とのこと)。
さらに、フォーメーションを従来の4-2-3-1から、ザックがこだわりを持つ3-4-3に変更して試合をスタートさせたのである。

ザックが試した「若手起用」と「3-4-3」という2つのテスト。

しかし結果的に、この試みは不完全燃焼に終わる。

噛み合わなかった「歯車」

「ザックといえば3-4-3」。

イタリア時代、このフォーメーションはアルベルト・ザッケローニの代名詞と言っても過言ではなかった。

しかし今年から日本代表でも試し始めたこの3-4-3は、この日のベトナム戦を含め、ほとんど機能したことがない。

そもそもフルメンバーですら機能していない3-4-3を、1軍半のメンバーで試したことはザックのミスだと思うのだけれども、それ以前にバックラインからのロングフィードを多用する戦術が、ショートパスを得意とする日本のスタイルにマッチしていないようにも感じる。

ザックが3-4-3にこだわるのは、日本がさらにワンランク上に行くために消化しなければならない戦術なのだという意識があるのだろう。
そして、賢い日本人であれば現在の長所と3-4-3の利点を上手に融合させてくれるのではないか、という期待もあるのかもしれない。

奇抜に見えるアイディアも、後から振り返れば「やっておいて良かった」となることは往々にしてあり得ることなので、僕は現時点で3-4-3を「必要ない」と切り捨てるのはまだ早急かなとも思う。
ただしこれが続くようであれば、いつかは考え直さなくてはいけない日がやってくるだろう。

少なくともこの試合、攻撃面は「機能した」とはとても言い難い。
個々の力の差もあって、試合自体は圧倒的に支配していたけれども、その割には決定機に結びつく回数が少なすぎた。
ベトナムのルーズなディフェンスにも助けられて1点は奪ったけれども、結果はその1点止まり。

4バックに戻しつつ、さらにメンバーを入れ替えた後半は、前半以上にパフォーマンスが低下して、ザッケローニ就任以降で最も低調な45分間だったと言っても良かった。

マッチメイクの違和感から始まって、煮え切らない試合内容。
まるで最後まで、協会・監督・選手、それぞれの歯車が噛み合わないまま、不完全燃焼で終わってしまったような一戦。

この試合がタジキスタン戦に悪影響を及ぼす可能性は低いだろうけれども、大事なのは代表チームが「ここから何かを得たかどうか」ということだろう。

「失敗は成功のもと」ということわざがある。

願わくば数カ月後に振り返ったとき、「あのテストも無駄ではなかったんだね」と思えるようになっていることを、僕は期待したいと思った。

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