明治神宮
明治神宮 / 如影隨行

いつも感心してしまうのだけども、どうして元旦の国立は毎年「快晴」なのだろうか。


風水的に見ると皇居のあたりが最高の方位にあると聞いたことがあるけれど、皇居に近い国立競技場にも、その御利益が回ってきているということなのだろうか。

いずれにしても、そんな天候の後押しもあってか、元旦の国立はいつも名勝負になる。

そして今年の天皇杯決勝は、10年前と同じカードとなった。 鹿島アントラーズ vs 清水エスパルス。

Jリーグ4連覇を逃し、無冠回避に燃える「元・王者」と、長谷川健太監督の有終の美を目指し、9年ぶりのタイトルを狙う清水エスパルス。

王者の復権か、古豪の復活か。

サッカーの神様が元旦に描いたシナリオはしかし、10年前と同じものとなったのである。

両チームの迎えた変革の時期

今シーズンここまでを無冠で迎えた両チームは、ともに「変化」を求められる時期に差し掛かっていた。

鹿島アントラーズは前線の要であったマルキーニョスが退団。
最終ラインを支えた大ベテランの大岩剛も、今シーズンを最後に引退を決意する。
小笠原満男、中田浩二、本山雅志ら、一時代を築いた「黄金世代」たちも
30代となって、来シーズンからはゆるやかな世代交代が求められてくることになった。

そして対する清水エスパルスには、さらに劇的な変化が待っている。
6年間指揮をとった長谷川健太監督が退任するだけではなく、これまでチームを支えてきた選手たちが大量に退団。
チームの「顔」でもあった生え抜きの伊東輝悦や市川大祐をはじめ、ヨンセン、西部洋平といった主力選手たちがチームを去ることが決定。
さらには岡崎慎司、藤本淳吾、本田拓也ら、現役日本代表クラスの選手たちにも移籍の噂が絶えない。

しかし大量の選手たちが流出する反面、エスパルスは来季に向けての大型補強も進めている。
すでにヴェルディから高木俊幸、ベルマーレから村松大輔らのユース代表クラスの加入が決定。
そして海外からは、地元高校出身の高原直泰、小林大悟たちが凱旋入団することになる。


来季に向けて大きく生まれ変わろうとしているエスパルスにとっては、現メンバーでの最後の試合という意味でも、負けられない一戦となった。

前半を支配した鹿島アントラーズ

しかし、似たような境遇にあるとも言える両チームながら、そのゲーム内容は対照的なものとなった。

序盤こそ互角の立ち上がりを見せたものの、試合は次第に鹿島ペースへと傾倒していく。 そして
26分、小笠原満男のコーナーキックからフェリペ・ガブリエルが頭で押し込んで先制すると、試合の流れは完全にアントラーズのものとなった。

小笠原満男、野沢拓也らを中心に軽快にパスを回す鹿島の中盤を、清水は捕まえきることができない。
そこから常に裏を狙う興梠慎三、大迫勇也の前線に繋いでは、鹿島アントラーズは何度も危険なシーンを演出した。

鹿島はディフェンスに回っても、出足の早いプレスで清水の中盤を寸断。
頼りの小野伸二、藤本淳吾、山本真希たちがほとんど中盤を創れずに、清水は前線の連携を完全に断ち切られてしまう。

しかし、それだけ一方的な展開の中でも、必ずしも勝負が決まりはしないところがサッカーのサッカーたる所以である。

59分、清水の中盤の要、本田拓也からの1本のロングパスが前線に供給される。
これに反応していたのはフローデ・ヨンセン。

このパスで裏に抜けだしたヨンセンは、このボールをノートラップでフワリと浮かせる。
ゆるやかな軌道を描いたループシュートは鹿島アントラーズ GK曽ヶ端準の頭上を超えて、鹿島ゴールに吸い込まれたのである。

まさに “ワンチャンス”。
劣勢に立たされていた清水としては、セットプレー以外ではもうこの形しかないのではないか、というようなワンプレーで1点をもぎ取り、清水エスパルスが同点に追いつくことに成功した。

そして清水は、試合の流れという意味でも、この1点をきっかけに息を吹き返す。 さあ反撃だ、逆転だ。
エスパルス陣営にそんなプラスのムードが生まれつつあった。

しかし鹿島アントラーズが昨シーズンまでに前人未到の3連覇を達成した理由は、そこに無類の勝負強さがあったからでもある。
そして鹿島はそれを体現するために、いよいよ1枚の切り札を切る。

投入された「ジョーカー」、本山雅志

清水の同点弾から4分後、ピッチに投入されたのは「ミスター・アントラーズ」、本山雅志。

12年間のプロ生活を鹿島一筋。
アントラーズのタイトルの多くに携わってきたこの天才が、エスパルスに傾きかけた流れを再び引き戻す、決定的な仕事をやってのけた。

投入直後から、本山は圧巻のキープ力で次々とチャンスに絡んでいく。

密集地帯でも巧みにボールを保持したかと思えば、リズミカルなパスさばきで清水DF陣のタイミングを狂わせる。
そしてサイドでボールを持てば、完全に静止した状態から突如トップスピードまで加速して密集地帯を打開。
たまらずチェックに行けばファールとなり、鹿島がフリーキックのチャンスを得る。

本山は投入された直後から、このゲームの主役へと躍り出た。
ゲームの流れを一変させる、まさに大車輪の活躍ぶり。
ボールは自然と本山へと集まり、気がつけば清水に傾きかけた流れは、完全に鹿島アントラーズへと引き戻されていたのである。

そして 77分、野沢拓也の直接フリーキックが決まる。
これで勝負あり。

本山ほどの強烈なジョーカーを持たない清水は再び流れを変えることはできずに、鹿島アントラーズが完勝と言っていい内容で、元旦の覇者となった。

「黄金世代」の分けた明暗

ともに来季に向けて世代交代を進めていく両チーム。 この両チームには、ともに「黄金世代」の選手たちが大黒柱として君臨している。

鹿島アントラーズには前述した小笠原、本山、中田浩二。
清水エスパルスには小野伸二。

しかし結果的にこの日は、この黄金世代たちの出来が試合の明暗を分けたと言っていい。


まさに「柱」として獅子奮迅の活躍を見せた鹿島の3人に対して、清水の小野伸二はこの日、ほとんど存在感を示せず。
それが結果にもダイレクトに反映された形になった。

12年前、ともにワールドユースの舞台で輝いた彼らもベテランと呼ばれる年齢となり、大きな曲がり角が近づきつつある。
しかし彼らを高校時代から見続けてきた人間としては、来シーズンも世代交代の波を跳ね返すような活躍を期待したいものである。

そんな来季への想いを掻き立てさせる、今年最初の好勝負だった。

…と、約1週間もブランクを空けて今さら天皇杯の記事を書いているわけですが、更新は滞りがちながらも、今年も当ブログは頑張っていきたいと思います!

読者の皆様、遅ればせながら、どうぞ今年も宜しくお願い申し上げます。

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