致命的な敗戦だった。
AFCチャンピオンズリーグ、グループリーグの第3節。
ここまで2連敗と、背水の陣でアウェーに乗り込んだサンフレッチェ広島。
もともと強豪がひしめく「死のグループ」に組み込まれてしまっていた今回のサンフレッチェ。
これまでの2試合は、そのあおりをもろに受けた格好となっていた。
ここでさらに3連敗目を喫すれば、グループリーグ突破はかなり厳しくなる。
逆に、ここまで2連勝で首位に立つライバル、アデレード・ユナイテッドをこの試合で叩けば、一気に混戦に持ち込むことができる。
そんな分岐点となる重要な一戦だった。
しかし、立ち上がりからサンフレッチェはどうも動きが鈍い。
日本はまだ冬が明けたばかりだが、南半球のアデレードは見るからに暑そうであり、コンディションの問題もあったのかもしれない。
慣れない4バックのフォーメーションも裏目に出て、序盤からアデレード・ユナイテッドに立て続けにチャンスを作られた。
トラヴィス・ドッドに1点を決められた後、イリアン・ストヤノフがラフプレーで一発退場。
アウェーで10人となり、これで勝利は絶望かと思われた。
しかしここから、サンフレッチェ広島は驚異的な巻き返しを見せる。
後半、FKのこぼれ球を森崎和幸がミドルレンジから叩き込み、同点。
さらにFKを高柳一誠がヘッドでねじ込み、1人少ない状態から逆転を果たす。
日本からやって来たサポーターたちは狂喜したことだろう。
だが、喜びはつかの間だった。
5分とたたぬうちにCKからヘッドで同点に追いつかれ、直後には逆転のFKを決められる。
10人のサンフレッチェに、再び同点に追いつく力は残っていなかった。
それにしてもアデレード・ユナイテッドは良いチームである。
鹿島アントラーズを破り、ガンバ大阪と死闘を演じた2008年ACLでも決勝に進出する快進撃を見せたけれど、今のチームはさらに安定感を増しているようにも思える。
特にトラヴィス・ドッドは驚異的であった。
電光石火のスピードでショートカウンターの起点となり、激しい運動量でディフェンスでも重要なタスクを担う。
2008年大会での活躍で、ヨーロッパからのオファーも複数届いていたそうだが、けっきょくアデレード・ユナイテッド残留を決めた。
キャリアをアデレードに捧げたキャプテンのリーダーシップも、このチームの大きな武器であるようだ。
ちなみにドッドはオーストラリアの先住民族、アボリジニーの末裔である。
どの国でもマイノリティーに対しては大なり小なりの差別意識が存在するものだと思うけども、そんな逆境もまた、トラヴィス・ドッドを強く成長させた一因だったのかもしれない。
サンフレッチェも大健闘を見せたものの、最後にはドッドを中心とした”レッズ”、アデレード・ユナイテッドのメンタルがそれを上回った。
そんな印象を抱かせた熱闘であった。
また余談ながらこの試合では、想像以上にお客さんが入っていたことに驚いた。
アデレード・ユナイテッドのホームスタジアム、ハインドマーシュ・スタジアムの収容人数は16,500人。
コンパクトなスタジアムとは言え、テレビで見るぶんには満員に近い観客が詰め掛けていたようである。
これまでオーストラリアのスポーツといえば、オージーフットボールやラグビー、クリケットなどが人気を誇っていたが、サッカーも着々と根付いてきているようだ。
このACLのような大会を通じて、その人気がさらに確かなものになってくれるのであれば、今日の敗戦の悔しさもいくらか忘れることができるだろう。

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