今季2度目のルール・ダービー。
しかし、前回と同じく、またも日本人対決は実現しなかった。
シャルケは前回のダービーを欠場していた内田篤人が今回はフル出場。
しかし逆にドルトムントでは、前回の対戦時の主役となった香川真司が、アジアカップでの骨折で今期絶望と診断されていた。
攻撃の中核を欠いたドルトムントと、ほぼベストメンバーが揃ったシャルケ。
しかし試合はそのメンバー構成に反し、予想以上に一方的な展開となる。
「ワンサイドゲーム」になったルール・ダービー
立ち上がりから試合を支配したのは、ホームのドルトムントの方だった。
急所を突いたサイドアタックと強烈なプレスで主導権を握ると、前半はシャルケにほぼ付け入る隙を与えない。
GKマヌエル・ノイアーのスーパーセーブと守備範囲の広さに救われたものの、シャルケは完全に劣勢のまま前半を終えることになった。
後半になっても試合の大勢は変わらず、ほぼ一方的に押し込まれるシャルケ。
しかしドルトムントのシュートミスにも助けれられてピンチを凌ぐと、後半には内田篤人も積極的なオーバーラップで攻撃に絡む場面も増えてきた。
それでもドルトムントの牙城を崩すまでには至らないまま、けっきょくスコアレスのまま試合はタイムアップ。
ドイツ中が注目したダービーマッチは、ドルトムントにとってはやや不本意な、シャルケにとってはラッキーな「引き分け」という形で幕を閉じることになる。
それぞれの目指す「成功への道」
現在、ブンデスリーガ首位を独走するボルシア・ドルトムント。
この試合でも圧倒的にゲームを支配し続けたドルトムントだったけれども、最後のフィニッシュの部分で精度を欠き、勝ち点2を失ったような試合だった。
シーズンの残り試合数は 13。
2位レバークーゼンとの勝ち点差は 12。
これだけを見れば充分安全圏内とも思えるけれども、前半戦の MVPとも言える香川真司を失ったことは、特に決定力という部分で悪い影響を及ぼしかねない。
ドルトムントにとっては今後も、毎試合が勝負強さを求められる「正念場」になりそうだ。
対するシャルケは、一時は最下位争いに顔を出していたけれども、ゆるゆると順位を上げて現在 11位。
当面の現実的な目標はヨーロッパリーグ出場圏内ということになるだろう。
昨季2位の実績を考えれば物足りないけれども、それでも前半戦の不振を考えれば、ヨーロッパリーグ出場は充分成功だとも言える。
また内田篤人個人としても、シーズンの当初と比べれば、攻守ともにチームの要の一人として成長したと言っていいだろう。
ボルシア・ドルトムントとシャルケ04、内容こそ違えど、両チームの目指す「成功への道」。
それぞれの目指す目標を達成することができるかどうか、両チームの今後に注目したい。
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