彼らは勝者であり、同時に敗者でもあった。
AFCチャンピオンズリーグ、グループリーグの第5節。
アウェーでのこのゲームを 3-2 で制したサンフレッチェ広島は、試合には勝利したものの、他会場の結果によりグループリーグからは敗退が決まった。
この明暗いり混じった結果は、同時に今のサンフレッチェというチームのスタイルを象徴しているようにも思えた。
中国スーパーリーグの強豪、山東魯能と対戦したサンフレッチェは、立ち上がりから立て続けにビッグチャンスを作る。
不安定な山東ディフェンスラインの裏をついて、佐藤寿人や山崎雅人がGKと1対1になるなど幾度の決定機を作る。
しかし、それを決めきれないサンフレッチェ。
そして前半ロスタイム。
シュートのリフレクションから山東にミドルシュートを決められ、ゲームを支配しながらも逆に先制を許してしまった。
悪いムードで迎えた後半も、なかなか攻めきれないサンフレッチェ。
しかし73分、森崎浩司のゴールでついに同点に追いつく。
さらに5分後には李忠成の逆転弾が生まれ、逆転に成功。
ゲームはサンフレッチェの勝利へと大きく傾いた。
ところが後半も残り5分というところで、FKから押し込まれて失点。
再度同点に追いつかれてしまう。
しかし後半ロスタイム、再び李忠成が決勝ゴールを叩き込み、サンフレッチェが難しいシーソーゲームを制した。
見ている分にはハラハラ・ドキドキの好ゲーム。
しかし、前半の決定機をしっかり決めていれば楽勝していてもおかしくないゲームだったはずである。
この試合のように、今季のサンフレッチェの戦いぶりは、どこか不安定な危うさをはらんでいる。
Jリーグでも屈指の組織的なサッカーを誇りながら、勝てる試合で勝ちきれない。
AFCチャンピオンズリーグでも強豪アデレード・ユナイテッドや山東魯能に勝つ力を持っていたにも関わらず、開幕から3連敗と勝ち点を落とした事が最後まで響いてしまった。
強さと脆さの同居するサッカー。
それが今のサンフレッチェの姿だと言えるだろう。
もちろん、それは彼らのアグレッシブなスタイルに起因する部分も大きい。
その常に攻め続けるスタイルは、ディフェンスを固めて守りに徹するサッカーよりも何倍も素晴らしい。
何より観ていて面白いサッカーである。
しかし、サンフレッチェが今後、国内でもアジアでもタイトルを狙うのであれば、決めるところではしっかり決め、勝つべきところで勝ちきるメンタリティーを持つことが求められてくるだろう。
その意味ではこの敗退は、今後に繋がる貴重な教訓にとなったのではないだろうか。
ちなみに僕がこの試合で驚きだったのが、山東魯能の予想以上の強さであった。
ディフェンスの連携などに課題も多かったものの、技術的にもフィジカル的にも、数年前の中国のチームと比べれば遥かにレベルアップしているように思われる。
中国のチームは今後、ACLでも侮れない強豪に成長してくるのではないだろうか。
日本のチームからすればやっかいな話だけれども、アジア全体がレベルアップし、世界との差を埋めるという意味では喜ばしい傾向だと僕は思う。
Jのチームと切磋琢磨して、いずれはクラブワールドカップで優勝するようなアジアのチームが生まれてくれることを、密かに期待したい。

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