Wind Turbine
Wind Turbine / Chuck “Caveman” Coker

移籍期限最終日に、インテル・ミラノへの滑りこみ移籍が成立してからおよそ2週間。

この十数日間で、長友佑都のサッカー人生は劇的な変化を遂げた。

その週末のセリエAでさっそくインテルでのデビューを果たした長友は、翌週のイタリアダービーでも途中出場。

そして迎えた自身の3戦目、対フィオレンティーナ戦。
この試合で長友佑都は、早くもインテルで初となるスタメン出場を果たす。

長友佑都の呼び込んだ先制点

前2戦はともに途中出場だった長友佑都。

そんな長友にスタメンのチャンスが与えられたのは、ここまでの2試合でのパフォーマンスが及第点であったことを物語っていた。

そして難敵フィオレンティーナのホームに乗り込んだこの試合で、長友にはいきなりの追い風が吹く。

試合開始からわずか6分。

カウンターから鋭い速攻を仕掛けたインテルは、右サイドをサミュエル・エトーが突破。

そしてエトーの放ったグラウンダーのクロスの先には、逆サイドの深い位置から猛然とオーバーラップをしかけた長友佑都の姿があった。

エトーからのボールが長友に通ればビッグチャンス。

これはしかし、たまらずこの決定機を阻止しにかかったフィオレンティーナのディフェンダーの足に当たり、いきなりのオウンゴールとなったのである。

これで 0-1。

アウェーのインテルが理想的な時間帯の先制点で、まずは試合の主導権を握ることに成功した。

得点シーンにも絡んで、いきなりオフェンス面での貢献を果たした長友佑都。

これで少し肩の荷が降りた長友は、その後も落ち着いたプレーぶりでチームに貢献していく。

振り返れば前の2試合でも、長友のプレーは悪くなかった。

特にディフェンス面での貢献度は高く、この試合も含めた3試合で、決定的なピンチを招いたようなシーンはほぼ皆無だったと言える。

ディフェンダーとして最も優先される守備面での安定感は、監督の立場からすれば、長友を戦力として計算する際の重要なファクターになりそうだ。

ただし、リーグ5連覇中の常勝軍団では、負けないこと以上に「勝つ」ことが要求される。

勝つためには得点が必要なわけで、長友佑都にも常に、ディフェンス面だけではなくオフェンス面でチームに貢献することが求められているのだ。

試合はその後、フィオレンティーナに1点を返されて同点となるも、後半62分、サミュエル・エトーのビッグプレーで決着がついた。

右サイドでボールを持ったエトーは、止まった状態からのワンフェイクで、マークについたミケーレ・カンポレーゼをぶち抜いてサイドを突破。

そこからのグラウンダーのクロスをジャンパオロ・パッツィーニが押しこんで、インテルが勝ち越し。
けっきょくこの得点が決勝点となる。

長友佑都も 71分までプレーして、チームの勝利に貢献したのである。

長友佑都に吹く「追い風」

この日の長友佑都のプレーに対しては、イタリア地元紙での評価は二分したようだ。

いわく、「攻守によく貢献した」という評価と、「(オウンゴールを除いて)攻撃面で決定機に絡めなかった」という評価。

長友のスピードと運動量自体は、おそらくチーム内でも買われていると思う。

この日もスナイデル、カンビアッソ、スタンコビッチらの中盤の選手たちから、長友へ頻繁にボールが供給されていた。

しかし、この日の長友は何度か左サイドを突破したものの、その反面、ラストパスの精度を欠いていた節がある。

より正確に言えばキックそのものの精度というよりも、突破してからパスを出す場所が見つけられていない。
周囲とのコンビネーションがまだまだ確立されていないという印象を受けた。

このあたりが、地元紙の評価が割れた要因でもありそうだ。

チェゼーナであれば攻守に奮闘しただけでも評価されたような場面でも、ビッグクラブでプレーする長友佑都に対しては、より決定的なチャンスに絡むプレーが求められている。

ただし裏を返せば、ラストパスのコンビネーションさえ噛みあってくれば、長友は一気にインテルでの地位を固めることもできるだろう。

そして前述したとおり、長友のスピードには周囲も一目置いているように僕には思える。

これまで海外に挑戦した日本人選手たちは、技術的には一様にレベルが高かった。

しかし黒人や白人選手たちと比べた場合、見るからに日本人選手たちは瞬発力が劣り、それが彼らの障害になっていたように思う。

例えば松井大輔などは、高いドリブルテクニックで次々と相手をかわすけれども、瞬発力が外国人選手たちに比べると見劣りするため、完全に抜き去ることができない。
このことが、松井がドリブラーとして海外でブレイクしきれなかった要因ではないかと僕は考えている。

しかし長友佑都に関しては、そういった瞬発力の面でのハンデがほとんど感じられないのだ。
むしろインテルの中で見ても、そのスピードはトップクラスなのではないだろうか。

このあたりは、親戚筋に競輪の名選手たちを輩出しているという長友の DNAによるものなのかもしれないけれども、長友はとにかく足が回る。

これは長友にとっては、世界に通用する強力な武器になるだろう。

インテルでの初出場を果たした長友だけれども、フル出場はまたも “おあずけ” となった。

しかし、デビュー1戦目での出場時間が 15分、2戦目が 17分、そしてこの3戦目が 71分と、プレー時間は確実に長くなってきている。

長友佑都に吹く追い風は、まだしばらくは続きそうな勢いだ。

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