僕は日頃からサッカー好きであることを公言しているので、サッカーファンの人と知り合う機会がちょくちょくある。
そして最初に聞かれるのが、たいてい「好きなチームは?」「好きな選手は?」「好きなリーグは?」みたいな質問だ。
ひとくちにサッカーファンと言っても「Jリーグしか観ない人」「海外サッカーしか観ない人」「日本代表しか観ない人」、あるいはそれらをミックスして観る人、と、ある程度は細分化されるのが一般的だと思う。
ちなみに僕は雑食なので、「サッカーならほとんど何でも観ます。」と答えている。
しかしそんな僕でも、ある程度打ち解けた人にしかカミングアウトできない話題が一つある。
それは「実は女子サッカーも好きなんです」というひと言だ。
と言ってももちろん、女子サッカーを観るにあたって、人に言えないような怪しい楽しみ方をしているわけじゃない。
単純に、女の子がサッカーする姿をウキウキして観ていることを人に知られるのが気恥ずかしいのである。
「自分、AKBのファンで、ライブとかも行っちゃってるんです。へへっ(照笑)」とか公言するのが気恥ずかしいのと同じ心境だろうか(たぶん)。
さらに言えば、「どうせスケベ根性でサッカーを観てるんだろ!」とか勘違いされるのが嫌なのもある
(まあ、確かにルックスのいい選手を眺めるのは好きですけど…)。
そんな小心者の僕だけれども、もしかしたら同じような心境の「隠れ女子サッカーファン」も少なからずいるんじゃないのかなーと想像したりもする。
そしてひょっとしたら、女子サッカーがなかなかマイナースポーツの域を出ないのも、世間一般でそんなバイアスがかかっていることも一つの原因なんじゃないかとも考える。
つまり「女のサッカーが好きなんて、カッコ悪いよ」と。
圧倒的不利だった日本代表
FIFA女子ワールドカップ2011。
この大会で日本代表 “なでしこジャパン” は見事にグループリーグを突破し、国内初となるベスト8進出を果たした。
しかし、決勝トーナメント1回戦の相手に決まったのはドイツ。
世界ランキングでは2位。開催国にして、優勝候補筆頭の呼び声も高い強敵中の強敵である。
正直なところ僕はこの試合、日本がドイツに勝てる確率は 10%未満だろうと考えていた。
日本代表は女子サッカー界ではトップクラスのテクニックを持ち、華麗なパスサッカーを持ち味としている。
しかしこのスタイルは反面、フィジカルでゴリ押ししてくる相手には滅法弱いという弱点を持っていた。
この大会でも日本は、そんなフィジカル主体のスタイルを持つ格下のニュージーランドと対戦した緒戦で、2-1と苦戦を強いられる。
そしてグループリーグ第3戦では、同様のスタイルの中堅チーム・イングランドに全くいいところなく 0-2の完敗を喫した。
さらに決勝トーナメントの相手・ドイツはニュージーランドやイングランドよりも格上の、このスタイルのチームの中では世界の最高クラスに位置するチームである。
これまで日本女子代表はドイツに一度も勝ったことがなく、さらに開催国ということで「完全アウェー」の中の試合であること。
また日本がグループリーグ最終戦のイングランド戦で主力を起用しながら敗れたことで、心身のコンディションも最悪の状態にあったこと。
これらを考えても、日本の勝ち目はほぼ皆無だろうと予想していた。
しかし僕は何年もサッカーファンをやっているのに、この浅はかな「諦めぐせ」が一向に直らない。
この試合はそんな知ったかぶりのファンに、まさに冷や水を浴びせるような劇的なゲームになった。
日本を包んだ「完全アウェー」
ドイツ北部の都市・ヴォルフスブルク。
かの世界的自動車メーカー、フォルクスワーゲンの城下町として知られる街だけれども、日本のサッカーファンにとっては長谷部誠の所属する VfLヴォルフスブルクのホームタウンとしても有名だろう。
そしてなでしこジャパンはその VfLヴォルフスブルクのホームスタジアム、フォルクスワーゲン・アレーナを埋めた 2万6000人の大観衆の中、地元ドイツ代表と対戦することとなった。
おそらく、日本のファンの大半は敗戦を覚悟し、ドイツのファンの大半は勝利を確信していただろうこの試合。
しかしそんな微妙な心の機微が、試合の結果に大きな影響を及ぼすことになる。
決戦のホイッスルが鳴った直後から、日本はドイツに猛烈なハイプレスを仕掛けた。
そしておそらく、この作戦は非常に効いた。
ドイツはイングランドに 0-2と敗れた日本を見て、気持ち的に多少の余裕を持ってこの試合に臨んでいたように思う。
そしてそれは同時に、大会2連覇中の王者に「過信」を生む結果にもなっていたはずだ。
その隙を突いた日本のハイプレスに、序盤のドイツは気持ちの上で圧倒されることになる。
ドイツの迎えた世代交代期
またドイツは、メンバー的にも世代交代の端境期に差し掛かっていた。
女子サッカーの世界でも、「列強」と言われるようなチームにはワールドクラスのスターが存在する。
日本の場合なら澤穂希になるだろうけど、ブラジルなら現在世界ナンバーワン選手のマルタがいる。
そしてアメリカならエースストライカーのアビー・ワンバック。
さらにアメリカはひと昔前なら、全米に女子サッカーブームを巻き起こしたミア・ハムというスーパースターを擁していた。
そして、そんな「チームの象徴」とも言うべき選手のドイツ版がビルギット・プリンツである。
プリンツは得点力に長けた大型のセンターフォワード。
過去2大会でのドイツのワールドカップ優勝の原動力となり、ワールドカップ通算得点数は歴代1位となる 14得点。
2003年から 2005年にかけて FIFA世界最優秀選手賞を3年連続で受賞するなど、輝かしい経歴を誇っている。
ちなみに日本サッカー界の伝説的ストライカー、釜本邦茂がこのプリンツを見た際、現役時代の自分と変わらない身長と体格を持つことに驚いたと言われるほど強靭なフィジカルを持つ選手だ。
しかしそのプリンツも既に 33歳。
プレーに全盛期ほどの迫力は無く、この大会でも緒戦と2戦目で先発出場したものの、後半の早い時間帯に途中交代を命じられている。
第3戦のフランス戦ではついに先発を外れた上に出場機会も無く、ここまでノーゴールと不振にあえいでいた。
そしてこの日本戦でも、プリンツは先発を外れることになる。
かと言って、代役のインカ・グリンクスにも全盛期のプリンツほどの爆発力があるわけではない。
その点ではむしろ、昨年の U-20女子ワールドカップでドイツ優勝の原動力となり、大会 MVPと得点王をダブル受賞したアレクサンドラ・ポップに期待がかかるけれども、ポップもまだ 20歳になったばかりと若く、A代表で前線の軸になれるほどの力は無い。
結果的にドイツは、前線で相手を恐怖に陥れるストライカーを欠いていた。
またドイツには、永里優季が所属する一昨シーズンのヨーロッパチャンピオンクラブ・ポツダムのエース、ファトミレ・バイラマイというワールドクラスのドリブラーもいるのだけれども、この大会ではコンディションの問題なのか、チームにフィットしていないという理由からなのか、先発はわずか1試合に留まり、この日本戦でも出場することはなかった。
これによってドイツの前線は明らかに、以前ほどの迫力を失っていたと言えるだろう。
さらに試合開始早々、ドイツにとっては痛恨のアクシデントが起こる。
セットプレーの際の接触で、中盤の要だったキム・クーリッヒが負傷退場。
将来は男子で言うところのミヒャエル・バラックのような選手になることを期待される注目の 21歳が、わずか8分でピッチを去ったことで、ドイツはさらに力強さを失ってしまった。
そして序盤は互角の試合を展開していた日本は、徐々に攻撃でもボールを繋ぎ、主導権を握れるようになっていく。
快心のゲームを見せるなでしこジャパン
先のイングランド戦での最大の敗因は、なでしこジャパンの代名詞とも言える「パスワーク」が分断されてしまったことだった。
そしてその大きな要因の一つが、中盤でパスの起点となる澤穂希、阪口夢穂の2人が激しいマークにあい、なかなか生きたボールを供給できなかったことにある。
このようにイングランドは日本の急所をしっかりと研究してきていたけれども、ドイツはそこまで日本を警戒していなかった。
そのため、イングランド戦に比べれば自由にボールをさばくことを許された澤と阪口を起点に、日本はワンタッチ、ツータッチを絡めた持ち前のパスサッカーを展開することに成功する。
また、この日の日本はディフェンスも見事だった。
澤、阪口のボランチコンビは守備面でも多大な貢献を果たしていたけれども、この日は特にディフェンスラインの集中力が光った。
熊谷紗希、近賀ゆかりは何度となく決定的なピンチをカバーし、岩清水梓、鮫島彩も非常に集中した守りを見せる。
ボランチも含めたディフェンス陣の集中力が、敗れたイングランド戦と比べて最も変化した部分だと僕は感じた。
こうして良いフィーリングを得たまま前半が終了。
迎えた後半、日本は永里優季に代えて丸山桂里奈を立ち上がりから投入してくる。
前線で体を張るタイプの永里に対して、丸山は裏へ抜け出す動きと縦への突破力が持ち味。
そして結果的に、この交代は当たった。
前半からディフェンスラインの裏への対応に危うさを見せていたドイツだったけれども、縦に強い丸山の投入によって、日本はその弱点をさらに突けるようになる。
積極的に裏を狙う丸山の動きが効果を発揮して、日本はさらに攻勢を強めた。
続いて日本は 65分、スーパーサブの岩渕真奈を投入。
前線に丸山、岩渕、安藤梢と機動力のある3人を並べ、ドイツの弱点である背後のスペースを狙い続ける。
受身の態勢になったドイツはストロングポイントであるフィジカルの強さを発揮することができず、逆にトラップなどの基礎技術の低さを露呈。
ミスを犯して自らチャンスを潰す悪循環にはまっていく。
前後半の 90分間を通じて得点こそ生まれなかったものの、日本にとっては大きな手応えを感じた 90分間だった。
そして試合はスコアレスのまま延長戦へと突入する。
延長に入ってもペースの落ちない日本。
対して、相変わらずチグハグなプレーの続くドイツ。
この試合でどちらも大会4戦目。しかも季節は夏。
両チームとも体力的にはギリギリのレベルで臨んだ延長戦。
ここから先はまた、両チームの精神力も試される 30分間となった。
そして延長前半もスコアレスのまま迎えた後半3分。
日本についに、「運命の時」がやってくる。
日本の迎えた「運命の時」
格下と見られたチームが格上と見られたチームに勝つことを、サッカーの世界では “ジャイアント・キリング” と呼ぶ。
これまで日本のサッカー史上最大のジャイアント・キリングは、おそらく 1996年のアトランタ・オリンピックで、ロナウドやロベルト・カルロスのいたブラジル代表を破った『マイアミの奇跡』になるだろう。
ちなみに僕はこの時も、「日本は絶対に勝てない」と思っていたっけ…。
そんなジャイアント・キリングが成立するためには、いくつかの条件があると僕は考えている。
1つは集中力の面で、格下のチームが格上のチームを上回っていること。
2つ目はディフェンス陣およびゴールキーパーに、神がかったプレーが見られること。
3つ目は得点シーンで、ほんの少しだけ「運」に恵まれること。
『マイアミの奇跡』の時、ブラジルは明らかに日本を格下と見て油断していた。
逆に日本は、28年ぶりのオリンピック出場でモチベーションは最高潮にあった。
そしてゴールキーパー川口能活がスーパーセーブを連発し、ブラジルの猛攻をゼロ封。
最後に、ブラジル GKジーダとセンターバックのアウダイールが味方同士で激突してしまうアクシデントが起こり、伊東輝悦の決勝ゴールが生まれた。
この試合のなでしこジャパンは、15年前のオリンピック代表と共通する部分を持っている。
あと足りないのは、ほんの少しの「運」だけ ーー。
そして 100分間以上、勝利を信じて戦い続けたなでしこたちに、サッカーの神様はついに最後のワンピースを与える。
センターバックの岩清水梓から、中盤に向けてフィードが供給される。
これを岩渕真奈が落としたとき、ここに待っていたのは澤穂希だった。
まるで道端の小石を蹴るかのように、自然体で澤が放った、すくい上げるようなダイレクトパス。
これが美しい放物線を描き、ドイツのディフェンスラインの裏、右サイドに走りこんだ丸山桂里奈にピタリと合う。
そしてゴールライン際、角度のないところから丸山は、迷うことなくノートラップで右足を振りぬいた。
角度のない位置から、さらに角度のないファーサイドへと飛んだボール。
ニアサイドをケアしていたドイツGK、ナディーン・アンゲラーは意表を突かれ、このシュートを見送ることしかできない。
そしてこのシュートは見事、「ここしかない」コースを抜けて、ファーサイドのサイドネットへと突き刺さったのである。
なでしこの達成した『ヴォルフスブルクの奇跡』
「キアアァァァァァァァァ〜〜〜〜!!!!」。
解説の、…いや延長に入った頃からはすでに解説を放棄して、ただの女子サッカーファンのお姉ちゃんにクラスチェンジしていた川上直子さんが、声にならない絶叫を響かせる。
対照的に、ざわめき立つヴォルフスブルクの大観衆。
双方のファンにとって「あり得ないこと」が起こってしまった瞬間だった。
おそらく丸山桂里奈に「もう一度あのシュートを決めろ」と言っても、おいそれと決めることはできないだろう。
そんな “奇跡の一発” が、この最も重要な場面で飛び出したのだ。
欠けていた最後のワンピース、「運」をも味方につけたなでしこジャパンが、ついにあと 12分でディフェンディング・チャンピオンを倒すところまでやってきたのである。
そして残りの 12分間は、それまでの 108分間とはまるで違う試合のような展開になった。
一気にテンションが上り、パワープレーからの猛攻を仕掛けてくるドイツ。
何とかこれを耐えしのぐ日本。
しかし本気モードになったドイツの圧力は凄まじく、日本は完全に防戦一方となってしまう。
おそらくドイツに最初からこれをやられていたら、日本はその圧力に屈していただろう。
それでもこの時間帯、日本の集中力が途切れることはなかった。
特にゴールキーパーの海堀あゆみが、この場面でスーパーセーブを連発する。
海堀は大会前の壮行試合となった韓国戦、そして大会初戦のニュージーランド戦、さらに第3戦のイングランド戦と各試合で失点に繋がるミスを犯し、その不安定さを再三指摘されてきた。
ゴールキーパーに最も必要と言われる「安定感」の面では、おそらく代表の3人のゴールキーパーの中でも最も劣る。
しかし若さからくる「伸びシロ」と、ハイボールへの強さを期待されて、代表の正ゴールキーパーの座を射止めた。
その海堀あゆみが、この土壇場で大仕事をやってのけたのだ。
浴びせられたシュートの中にはクロスバー付近を狙った高いシュートも含まれる。
このコースは上背のない日本のゴールキーパーが最も苦手としていたコースで、海堀以外のキーパーではもしかしたら止められなかったかもしれない。
海堀はこの延長後半で、それまでの汚名を払拭する決定的な仕事をやってのけた。
そして DF岩清水梓が「早く時間が過ぎてくれ、と思った。」と振り返った 12分間が過ぎ、ロスタイムの1分間が過ぎたあと、主審のホイッスルが鳴る。
ヴォルフスブルクの空に高らかに響いた笛の音。
この瞬間、なでしこジャパンが「世界をアッと言わせる」ジャイアント・キリング、『ヴォルフスブルクの奇跡』を達成したのである。
歴史的勝利を支えた「見えない力」。
絶対に不可能と思われたミッションを成し遂げて、喜びを爆発させるなでしこジャパンのイレブン。
百戦錬磨の澤穂希をして「久しぶりに嬉し泣きしました。」と言わしめた、文句なしの歴史的勝利。
これで日本は北京五輪と並ぶベスト4へと進出。
初の世界大会でのメダルの可能性も、現実味を帯びてきた。
殊勲の丸山桂里奈は「夢みたいだった」と得点シーンを振り返りながらも、「北京五輪の時、メダルとベスト4とでは全然違うと実感した。次も勝ちたい。」と、早くも次戦を見据えた。
準決勝は7月13日(日本時間14日未明)。
相手はスウェーデン。
間違いなく、簡単な試合にはならないだろう。
日本は充分な準備をしてこの戦いに臨み、ファイナルへの切符を手にしなければならない。
しかし、今だけはつかの間の喜びに浸っていいはずだ。
彼女たちは、それが許されるだけの歴史的偉業を成し遂げた。
そして女子サッカーファンを公言することを恥じらっていた僕も、今なら声を大にして言える。
「僕は、女子サッカーを応援しています!!!」と。
さらにもし僕が格闘家・高田延彦だったとしたら、続けてこう叫びたい。
「全国の女子サッカーファン、出てこいや!!!」。
この試合のあと、普段はあまり女子サッカーに興味がないような人たちからも「なでしこジャパン、勝ったね!!!」というようなメールをもらった。
翌朝のスポーツ新聞各紙でも、なでしこジャパンが1面をジャックした。
この勝利の重みは、それだけ世間でも理解されている。
なでしこリーグの試合に足を運ぶと、たいていスタジアムの観客はまばらだ。
通常は数百人。多くて千数百人。
Jリーグと比べれば 10分の1かそれ以下の数字である。
そんなマイナースポーツである女子サッカーも、近年では若年層の競技人口が大幅に増加傾向にある。
僕が子どもだった頃、女子の球技と言えばバレーかバスケ、テニスあたりが定番で、サッカーをしている女の子などは1人として見かけたことはなかった。
それが今では近所のグラウンドを通ると、練習に励む女子サッカーチームの姿を見かけることも珍しくはない。
1996年のアトランタ・オリンピックで男子サッカーは『マイアミの奇跡』を演じたけれども、女子サッカー日本代表もこの大会で初のオリンピック出場を果たしている。
そして 2004年のアテネオリンピックを経て、2008年の北京オリンピックで初のベスト4。
彼女たちのその活躍が導火線となって、ゆっくりとだけれども確実に、日本に女子サッカーは根付きつつある。
そしてこの『ヴォルフスブルクの奇跡』は、日本の女子サッカー界が地道な努力の末に手にした、ひとつの目に見える成果だったのだ。
この勝利はもちろん、日々の練習で技を磨いてきた選手たち、そしてスタッフたちの勝利である。
さらに言えば、日頃あまり陽の当たらない場所で地道に女子サッカーの強化に努めてきた関係者の方々全員の勝利でもある。
そして同時に僕は、今こそ女子サッカーを応援し続けてきたファンに胸を張ってもらいたい。
たとえガラガラのスタンドでも、数百人しか観客がいなくても、その数百人がこれまでの女子サッカーを支えてきたことは間違いない。
そして選手たちと一緒に戦ってきたファンの存在なくして、この歴史的勝利はあり得なかった。
僕が昨年、初めて日テレ・ベレーザの練習を見学に行った際、はじめのうち見学者は僕ひとりだった。
途中から2人ほど増えたけれども、Jの練習では少なくとも数十人は必ず集まっていたのを知っている身としては、ちょっと衝撃的な光景だった。
それでも女子サッカーは、そんな少数のファンの応援で成り立っている。
なでしこジャパンの達成した快挙は、確かに素晴らしい。
それでもこの大金星は、何も無いところから突然生まれてきたわけではない。
真夏のヴォルフスブルクで実現した歴史的勝利。
これはなでしこジャパンの強化に尽力してきた全ての関係者の勝利であるとともに、
これまで女子サッカーを応援し続けてきた、全てのファンの勝利でもあったのだ。
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