東京タワーと通天閣。
皇居と大阪城公園。
読売ジャイアンツと阪神タイガース。

東京と大阪は古くからライバルだと言われて、ずっと比較され続けてきた。

ちなみに関東出身で今は大阪に住んでいる僕の感覚から言えば、確かに大阪人には、東京に対するほのかなライバル心が伺える。
やれ「東京は飯がまずい」とか、「老人が道を聞いても無視する東京モンを見た」とか、「自分は東京には一度も行ったことがない」とか何とか。
何やかんや言って、大阪の人は東京を意識したような発言が多かったりするのだ。

しかし反面、東京の人は大阪のことなどほとんど気にしていないのが実情だろう。
「梅田」とか「なんば」とか、名前は聞いたことがあっても、そこがどんな街かは知らないし、あんまり興味もない、という人が大半ではないだろうか(ちなみに僕は、関東も関西も両方好きです)。

そんな中、3〜4年前になるだろうか。
関西の経済の低迷を横目に、好景気に沸いていた東海地方の経済力が、近い将来に関西のそれを追い抜く可能性があると報じられたことがあった。

にわかに浮上した東海地方脅威論。

この時、僕の周辺の関西の人々の間には、明らかに動揺の色が見られた。

これまで格下と思っていた東海地方(主に名古屋)…が、気がつけばすぐ背後にまで忍び寄っていたのである。
これは関西人にとって、ブラウン管から貞子が飛び出して来たのと同じくらいの恐怖だった事だろう。

そう、大阪にとって本当のライバルは雲の上の東京などではなく、すぐ後ろの名古屋だったのだ!

あれから数年、今の大阪と名古屋の力関係がどうなっているのか、正確なところは僕は知らない。

ただ確実に言えるのは、大阪にとっては依然、名古屋は無視できない存在で在り続けているということだ。
そして、サッカー界においてもそれは例外ではない。

この日は、そんな大阪と名古屋を代表する両チーム、ガンバ大阪と名古屋グランパスの、リーグ戦の行方を左右する重要な一戦となった。

力負けしたガンバ大阪

この試合が行われる前、リーグ首位に立っていたのは名古屋グランパスだった。

対するガンバ大阪は、グランパスとは勝ち点7差の第6位。
優勝を狙うためには、ここで是非とも首位を叩いておきたい。
この試合はガンバにとって、その絶好の機会となるはずだった。

しかしガンバのゲームプランは、あまりにも早い時間帯に崩されることになってしまう。

前半5分、中盤付近の右サイド。
グランパスの中村直志はボールを受けると、ショートドリブルをはさんだ後、ゴールまで30メートルはあろうかという位置から右足を振り抜いた。
何とこのロングシュートが、ガンバGK藤ヶ谷陽介の指先をかすめてゴールイン。
ガンバは意表を突かれた形で、グランパスに先制点を許してしまう。

予想外の展開で奪われた1点目。
ただガンバも当然ながら、そこから反撃を試みていった。

そして迎えた前半 16分。
ゴール前の混戦から、グランパスDF陣のクリアーが中途半端になったところに、走りこんだのは橋本英郎だった。

橋本はこのシュートを豪快に決め、何と驚きの6試合連続ゴールを達成。
試合もこれで同点に。
ガンバの勢いは、きっとこれで回復する展開になるだろうと僕は予想した。

しかし、この日のグランパスは、並のチームとは少し違っていたのである。
同点に追いつかれて以降も激しい守備を見せて、ガンバを勢いに乗らせない。
キーマンになったのはアンカーのポジションを努めたコロンビア代表、ダニルソンだった。

読みの良さとフィジカルの強さを活かしたディフェンスは恐ろしいほど効いていて、失点以降はガンバにチャンスの芽を作らせない。
さらにはダニルソンは、攻撃面でも大活躍。
32分、セットプレーからヘディングのゴールを挙げて、グランパスの勝ち越しに大きく貢献した。

このダニルソンのゴールで、名古屋グランパスが1点をリードして、前半を折り返す形となったのである。

後半、反撃に転じたいガンバ大阪は、平井将生に代わって宇佐美貴史を投入。
この交代は、はじめは一定の成果を上げた。

相変わらず積極的なドリブルを仕掛ける宇佐美の投入で、ガンバは前線が活性化。
相乗効果で自慢のパスも回るようになり、しばらくの時間帯は続けざまにチャンスを作った。

しかしそんな反撃ムードを断ち切ったのが、前節まで平井将生と並んで得点王争いのトップタイだった男、ジョシュア・ケネディである。

68分、グランパスのコーナーキックから、自慢の高さを存分に活かしてケネディがヘディングシュート。
これがズバリ決まって、グランパスがダメ押しの3点目を挙げた。

ケネディの、このリーグ得点王争い単独トップとなる1点で勝負あり。
名古屋グランパスがガンバ大阪に競り勝って、この東海 x 関西対決を制したのである。

ガンバ大阪の失った「勝ち点6」

ガンバ大阪は、近年のJリーグではピカイチの完成度を誇るチームである。
しかしこの日は、名古屋グランパスに力負けした格好だった。

グランパスのサッカーは、ガンバに比べれば洗練されているとは言い難い。
しかしそれでもグランパスが勝った背景には、強力な外国人選手の存在があったように僕は思った。

創設当時には有名外国人選手たちが世界中から集まって、華やかな時代を作ったJリーグも、近年ではなかなかビッグネームの加入は見られないようになってしまった。
そして、3人の外国人枠 + 1人のアジア人枠も、満足に活用していないチームも珍しくはない。

しかしこの日の名古屋グランパスは、ケネディ、ダニルソン、マギヌンの3人の外国人をスタメン起用。それぞれが試合中でも存分に持ち味を発揮していた。
さらにベンチにはブルザノビッチも控える。
もっと言ってしまえば、ブラジルから帰化したトゥーリオや三都主などの選手もいる。
外国人選手の力をフル活用しようという、ストイコビッチ監督の狙いがそこには伺えた。

日本人選手の成長のために、日本人を積極的に起用しようという考えは分かる。
しかし僕は、Jリーグ上位を狙うチームは、積極的に外国人枠を活用すべきではないかという考えを持っている。
そのことがリーグのレベルを引き上げ、日本人選手のレベルアップにも繋がると思っているからだ。

その意味で、名古屋グランパスは見事に戦力強化を図れていると思った。

この日の試合で勝利していれば、グランパスとの差を一気に勝ち点4まで詰めることができたガンバ大阪。

しかし結果は裏目に出てしまう。

これで両チームの勝ち点差は 10に。
ガンバにとっては痛すぎる敗戦だった。

実質的にガンバが失った「勝ち点6」。

そしてその試合を決定づけたのは、外国人枠をフル活用した、名古屋グランパスの「個」の力だったのではないかと、僕は感じたのである。

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