Photo by skyseeker

何度も書いているけども、僕は神奈川県は横浜市の出身だ。

嬉しいことに、神奈川にはJリーグのチームがたくさんある。

J2の横浜FCを合わせて、全4チーム。
堂々の、全都道府県の中でナンバーワンのチーム数である。

しかも、11月の全国地域リーグ決勝大会に出場するSC相模原がJFLに昇格すれば、最短で2年後にはJチームが5つに増える可能性もある。

だから僕は神奈川を、静岡・千葉・埼玉とはまた違った意味での「隠れたサッカー王国」だと勝手に思い込んでいる。

そしてこの週末は、そんな神奈川の誇る2チームによる「神奈川ダービー」が行われた。

真の「神奈川ダービー」、横浜マリノス x 川崎フロンターレ

「神奈川ダービー」というフレーズは、神奈川の4チームが対戦する時に使われるわけだから、4×3÷2=6 で6通りの組み合わせがあるわけだ。

ただし、例えば川崎フロンターレと湘南ベルマーレの対戦を「神奈川ダービー」と呼ぶのは、神奈川人としてはちょっと違和感を覚えてしまう。

湘南という土地はもちろん神奈川県なんだけども、神奈川の中心地とは少し離れた「独立独歩の土地」というイメージが個人的には強い。
僕の勝手な印象だけども、湘南エリアの人たちは「自分は湘南の人間だ。海と波乗りとサザンがあれば、そこが何県でも関係ないのさ…」という、県境を超越した高潔なまでの郷土愛を持っているような気がするんだけど、気のせいだろうか?
まあ、気のせいかもしれないですけど。。。

そこに加えてダービーマッチというのは、「その土地の最強チームを決める戦い」だという感覚を個人的には持っている。

そういう意味では、現在J2の横浜FCもまた対象から外れる。

だから僕にとっては(勝手な思い込みですけど)、真の「神奈川ダービー」とは唯一、横浜マリノスと川崎フロンターレのこのカードを指すのである。

そんな、年に2回の神奈川ダービー。
その第2回戦がフロンターレのホーム、等々力陸上競技場で開催された。

横浜マリノスの大逆転劇

僕はJリーグ開幕からのマリノスのファンだ。

しかしそれにも関わらず、南アフリカワールドカップ以降は1度もマリノスの試合を観ていなかった、ファンの風上にも置けない野郎である。

理由はまあ、テレビ中継の巡り合わせが悪かったのと、仕事が忙しい時期が重なったのが大きかったんだけど、マリノス自体が不調であまり明るい話題が無かったこともある。

そんなわけで、この試合は僕にとって久しぶりのマリノス戦となった。

中村俊輔がスペインから電撃復帰して、開幕直後こそ好調なスタートを切ったマリノスだったけれども、その後は俊輔が調子を落とすのに引きずられるように低迷街道を歩んだ。
4節では3位まで上がった順位も、16節ではとうとう 10位にまで沈んでしまう。

ところが、その後は5試合で4勝1敗と、突如復活したマリノス。

これは夏場にさしかかって他チームがコンディションを落とす中、開幕前から精力的なフィジカルトレーニングに取り組んできたことが大きいらしい。

そんな好調の波に乗って、マリノスはこのダービーマッチを迎えたのである。

しかし試合は、予想外の形で幕を開けた。

開始わずか1分未満、コーナーキックからジュニーニョが決めて、川崎フロンターレが早々に先制ゴールを挙げる。

あまりにも早すぎる失点に呆然となるアウェイチームと、歓喜するホームチーム。

前節終了時点で5位と、マリノス(7位)の上を行くフロンターレが先制して、マリノスにとっては難しい展開になるかと思われた。

しかし、マリノスイレブンは思いのほか冷静だった。
いきなりの失点にも動揺することなく、落ち着いてゲームの主導権を奪い返しにかかる。

数分経って試合が落ち着いてきた頃には、すっかりマリノスが試合を支配する展開になった。

その中心を担ったのは、やはりこの男。

中村俊輔である。

復活を果たした「横浜の星」、中村俊輔

エースの座を追われ、失意の末に帰還した南アフリカの戦いのあと、中村俊輔は代表引退を表明した。

確かに大会前の時期から、俊輔のプレーは良くなかった。
ワールドカップは結果的に、中村俊輔というプレイヤーにとっては、歓喜よりも失望の方が多い大会となってしまったと言えるだろう。

ただし、中村俊輔が横浜人にとっての「星」であることに変わりはない。

そして、苦しめられた怪我も癒えてきた俊輔は、かつての輝きを取り戻しつつあった。

スルーパスにフリーキック。
この日の俊輔は定位置であった「中盤の王様」として君臨し、再びチームメイトたちを自在に操ったのである。

そして前半ロスタイム。

そんな中村俊輔のプレーが結実する。

俊輔のスルーパスに反応した山瀬功治が、得意の個人技からフロンターレの包囲網を突破し、テクニカルなゴールを奪取した。

最高の時間帯に生まれた同点ゴール。

この勢いに乗って、後半もマリノスは怒涛の猛攻を見せる。

後半開始早々の 49分、兵藤慎剛のミドルシュートが決まって、あっさりと逆転に成功したマリノス。
その後もワンタッチ、ツータッチのパスを小気味良く回してゲームをコントロールしていく。

対するフロンターレは、大黒柱の中村憲剛の不在も影響してか、ほとんど中盤を作れない。
カウンターからしか活路を見いだせないような状況が続く中、逆に最終ラインが後退して、マリノスに何度もチャンスを作られた。

その流れから、ダメ押しの3点目が生まれる。

63分、再び中村俊輔のスルーパスから抜けだした山瀬が、1人をかわしてゴール前中央で待つ兵藤へラストパス。
これを兵藤がキッチリと決めて、自身この日2ゴール目となる得点をゲットした。

たまりかねたフロンターレは 67分、中村憲剛と谷口博之を同時投入。

これで攻撃にリズムが出たフロンターレはここから反撃に転じるものの、時すでに遅し。

3点を奪って逆転を収めたマリノスが、会心の勝利で3連勝を飾り、順位でもフロンターレをまくって6位に浮上したのである。

進化を見せるマリノスのサッカー

春先にも行われたこの神奈川ダービーでは、マリノスがホームで 4-0と大勝を飾っていた。

この時の記事で僕は、中村俊輔のプレーと木村和司監督の手腕を評価して「これが秋まで続くようなら本物だ」と書いた。

その後はシーズン中盤で中だるみしたので、その強さが本物になったかどうかはまだ分からない。
ただし、横浜マリノスが当時よりもさらに進化していることは確実だ。

春先のマリノスは、良くも悪くも「個人に頼ったチーム」だった。

日本代表でも攻守の要だった中村俊輔、中澤祐二を軸に、山瀬功治、狩野健太、渡辺千真らの、スキルの高い個人の能力に依存したサッカーをしていた印象である。

しかしこの日のマリノスは、まるで違っていた。

もちろん、高い個人技が失われたわけではない。
しかしそこにプラス、豊富な運動量とコンビネーションに裏付けされた「組織力」が加わっている。

現にこの日も、見事なポゼッションサッカーで中盤を支配しながら、要所で個人のセンスを発揮する、完璧に近いサッカーを見せていた。

これはやはり、木村和司監督の手腕の賜なのだろう。

少なくとも今のマリノスが、チームとしては近年稀に見るほどの、質の高いサッカーを実践していることは確かである。

マリノスは明らかに進化している。

豊富なタレントが組織としてまとまって、「観ても面白い、結果も出せる」サッカーを実現しつつある。

そして怠け者だけどファンのはしくれの僕としては、もしかしてそろそろ期待していいのかなとも思ってしまうのだ。

岡田監督がJリーグ2連覇を達成した、あの 04年以来。

6年ぶりの「タイトル」というやつを。

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