「なんということでしょう!」(BEFORE → AFTER風に)

と軽いノリで始めてしまった今回ですが、何年に1回かのすごい試合が生まれてしまった。
まさにアンビリーバブル。信じられないゲームである。

UEFAチャンピオンズリーグのマンチェスター・ユナイテッド x バイエルン・ミュンヘンの準々決勝2ndレグ。

1stレグではマンUが圧倒的にゲームを支配しながら1点しか奪えず、逆に後半ロスタイムの失点で敗れる大逆転劇。

マンUからすれば、ホームでの2ndレグで同じ失態は繰り返せるはずもない。
2年前のチャンピオンにして昨年のファイナリストでもあるマンUが、リベンジに燃えて臨んだ一戦だった。

バイエルンを圧倒したマンチェスター・ユナイテッド

2ndレグは立ち上がりからマンUが完全にゲームを支配し、バイエルンを圧倒する。
バイエルンはほとんどチャンスらしいチャンスを作れない。
両者の実力差は歴然だった。

もちろんバイエルンも、ブンデスリーガを代表する強豪だけに弱いわけはない。
それでもこの両チームの実力には、大相撲に例えるなら横綱と小結ほどの、明確な差があるように思えた。

そして試合開始からたったの3分。

マンUの主砲ウェイン・ルーニーにディフェンスが引きつけられ、ポッカリ開いたバイタルエリアからダロン・ギブソンがミドルシュート。
これが決まって、マンUがあっけなく先制ゴールを奪う。

アウェーゴール2倍ルールのため、この時点でマンUが再び優位に立ち、あっさりと形勢を逆転してしまった。

その後も圧倒的に攻め続けるマンUは、アントニオ・バレンシアとナニの両ウイングが大爆発。
バレンシアのクロス→ナニ、の形でさらに2点を追加すると、前半で 3-0 と大量リードに成功する。

もはや勝負あり。

おそらくほとんどの人がそう思ったことだろう。

だが、ここからが奇跡の始まりだった。

引き金を引いたのは、またしてもあの男。
1stレグで執念の “後半ロスタイム逆転弾” を叩き込んだ、バイエルンのイビチャ・オリッチである。

オリッチの見せた執念のゴール

前半終了間際、ゴール前へのロングボールにヘディングで競り合ったオリッチ。

それはルーズボールとなるが、相手DFが着地後に体勢を崩したのに対して、オリッチは再び立ち上がって自らこぼれ球に食らいつく。

そしてボールを拾ったオリッチは、体勢を崩しながらも強引にシュート。

そのボールは意表を突かれたマンUゴールキーパー、ファンデルサールの脇を抜け、ゴールに吸い込まれていった。

何と泥臭いゴールであろうか。
僕は思わず中山雅史の姿を連想した。

オリッチはテクニックに優れた選手ではない。
この試合でも、得点のシーン以外は思うようにチャンスに絡めていなかった。

しかし、「ここぞ」という場面で決定的なゴールを挙げる嗅覚と精神力。
これは誰しもができることではないであろう。

このゴールの持つ意味は絶大だった。

アウェーゴール2倍ルールに照らし合わせると、バイエルンがもう1点を返せば、再び準決勝進出の資格を得る。

絶望の淵に立たされていたバイエルンが、このたった1点で息を吹き返したのである。

オリッチが2試合連続でその異能の才を発揮し、ここからゲームは大きく流れを変え始める。

アリエン・ロッベン、奇跡の逆転弾

迎えた後半戦。
追い詰められたマンUを、さらなるアクシデントが襲う。

後半5分、右サイドバックのラファエウがつまらないファールを犯し、2枚目のイエローで退場。

これで流れは完全にバイエルンに傾いた。

前半とは打って変わって攻勢に転じるバイエルン。

10人となり、ゴール前を固めに入ったマンU。

1点を巡る熾烈な攻防。

そして後半29分に、バイエルンはCKを得る。

フランク・リベリーの蹴ったボールはゆるやかな放物線を描き、ペナルティエリアライン付近で待つアリエン・ロッベンの元へ。

ロッベンの左足から放たれたボレーシュートは、マンUのディフェンダー、ゴールキーパーがギリギリで届かないコース、ボール1個ぶんの「ここしかない」軌道を抜けて、マンUゴールに突き刺さったのである。

狂喜乱舞するロッベン。

そうれはそうであろう。

貫禄のある頭髪から実年齢より年配に見えるロッベンが、舌を出して壊れていく様は一種異様であったけど、それだけ嬉しい気持ちはよく分かった。

それほどまでに、喉から手が出るほど欲しい1点が最高の形で決まった、正真正銘のスーパーゴールであった。

逆転を許したマンUも反撃に打って出るものの、10人で守勢に回っていたマンUに既に力は残っておらず、結局このままバイエルンが逃げ切りに成功。
優勝した 00-01 シーズン以来の準決勝進出を達成した。

バイエルンの見せた「ゲルマン魂」

しかし今でも信じられない気持ちである。

1stレグでも2ndレグでも、圧倒的に強かったのはマンUのほうだった。

サッカーにおいて、実力下位のチームがワンチャンスをものにする事はままあるけれども、4回のチャンスをものにするとなると、そうそうある事では無い。

しかし、バイエルンはそれをやってのけた。

ドイツには “ゲルマン魂” という言葉がある。
ドイツ人の不屈の精神力を現した言葉であるけれど、この試合はまさにゲルマン魂の感じられたゲームであった。

そしてそれを最も強く放っていたのが、クロアチア人のオリッチである。

彼の最後まで絶対に諦めない気持ちが、技術や戦術の差を乗り越えて、この奇跡の勝利を実現させたのだと僕は思った。

そしてそれを、このUEFAチャンピオンズリーグという最高峰の舞台でやらかしたのだから、二重の驚きである。

どんなレベルの試合であれ、ハートの強さは全てを超える。

まさにサッカーの原点を観た、チャンピオンズリーグの歴史に残る一戦だった。

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