現在の欧州3大リーグと言えばイングランド、スペイン、イタリアの各国内リーグを指す。
5大リーグと言ったら、ここにドイツとフランスが加わることになる。

一昔前までは、この5大リーグに決定的な戦力差は存在しなかった。

ドイツは70年代に “皇帝” ベッケンバウアー率いるバイエルン・ミュンヘンがチャンピオンズカップ3連覇を達成するなど、欧州の頂点に君臨。
90年代以降も、97年にボルシア・ドルトムントが、01年にバイエルンがそれぞれUEFAチャンピオンズリーグで優勝を果たしてしている。

またフランスでも、93年にオリンピック・マルセイユが同様にチャンピオンズリーグを制した。
この両国は、少し前までは国際舞台でも強力な競争力を有していたのである。

ところが近年では巨大資本の流入により3大リーグ、特にイングランドとスペインが他国を圧倒するほどの戦力を備えるようになった。

相対的にドイツやフランスのリーグの地位は低下し、両国クラブのチャンピオンズリーグにおける成績は、04年にモナコが決勝に進出したのを最後にベスト8の壁を超えられない年が続いていた。

しかし今年はその両国のチーム、バイエルン・ミュンヘンとオリンピック・リヨンが揃って準決勝に進出を果たす。

そしてその両チームが、決勝進出を賭けて対戦することとなった。

激闘のあとに待っていた弛緩

両チームの準決勝までの道のりは平坦ではなかった。

リヨンは決勝トーナメント1回戦で “銀河系軍団” レアル・マドリードと対戦。

戦力面で圧倒的不利が予想されながらも、2試合を1勝1分けで乗り切りったリヨンがスペインの「白い巨人」を退けた。

バイエルンは準々決勝でイングランド・プレミアリーグを3連覇中の優勝候補、マンチェスター・ユナイテッドと対戦。

ホーム、アウェーの2戦とも圧倒的にゲームを支配されながらも、数少ないチャンスをものにしたバイエルンが奇跡的な金星を挙げる。

(試合の詳細は悪魔に屈した悪魔クロアチアから現れたゲルマン魂を参照)

バイエルンもリヨンも国内リーグではタイトル争いの常連であり、両リーグを代表する強豪である。

しかしヨーロッパの超ビッグクラブと比較すると戦力的な見劣り感は否めない。

それでもこの両チームが勝ち上がってきたのには、もちろん理由があった。

僕が思うにそれは「精神力」である。

特に強大な敵を前にした時に、彼らの中の潜在能力が最大限に発揮され、本人たちも驚くような戦いができたのではないか。
僕は両チームにそんな印象を抱いていた。

そんな両者の対戦は、立ち上がりからホームのバイエルンが優勢に試合を進めた。

アヤックスやバルセロナで一時代を築いたオランダの知将、ルイス・ファン・ハールが指揮をとるバイエルンは、一昔前のドイツサッカーのイメージからは想像できないほどのポゼッションを見せてボールを支配。
一方的に攻め込まれたマンチェスター・ユナイテッド戦とは見違えるような戦いぶりには軽い驚きを覚えた。

しかしこれがまだ1stレグであるからか、試合からはいまいちヒリヒリするような緊張感は伝わってこない。

マンU戦であれほど少ないチャンスを決める集中力を見せていたバイエルンも、この試合ではイージーなシュートをミスする場面が目立った。

そんな試合がにわかにヒートアップしたのが前半37分。

バイエルンにおいてアリエン・ロッベンと並ぶエースであるフランク・リベリーが、リヨンFWリサンドロ・ロペスの足首を踏みつける危険行為で一発退場。

試合を優位に進めていたバイエルンが数的不利に陥ったことで、試合は動き出すかと思われた。

しかし、前半は大きな動きがなくこのまま終了。

そして迎えた後半の立ち上がり54分。
今度はリヨンのジェレミー・トゥラランが2枚目のイエローで退場。再び同人数となり、けっきょく試合は振り出しに戻った。

そして69分、ロッベンの見事なミドルシュートが決まり、バイエルンが先制。

この1点を守りきり、まずはバイエルンが1stレグを制することとなった。

現れなかった「巨人の影」

僕が個人的な目線でこの一戦を評するとしたら「凡戦」である。

もちろんチャンピオンズリーグの準決勝だからレベルが低いわけはないのだけれど、両チームともどこか試合に乗り切れていないような印象を受けた。

日本では早朝で行われたゲームだったこともあって、後半はあくびをしながら見てしまったほどである。

両チームはそれぞれ強豪相手に金星を挙げてここまで勝ち上がってきたチームである。

しかし、それらの試合で両彼らが見せた集中力は、この試合では最後まで見ることができなかったように感じた。

レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドといったチームは、明らかに別格の強さを持った真の強豪である。
裏を返せば、そういった「巨人」たちが持つ圧倒的な存在感、そのオーラによって、リヨンやバイエルンは自身の持てる力を最大限に引き出されたという見方もできるのではないだろうか。

その意味では今日の対戦は両者にとって、皮肉にも「実力相応であり過ぎた」相手だったと言えるのかもしれない。

サッカーはロジカルなスポーツであり、当然ながら実力上位のチームのほうが勝つ確率は高い。

しかし、選手名鑑を見ただけで勝つチームが決まるわけでは無いのもまたサッカーの醍醐味である。

この両チームは共にそんなロジックをはねのけてここまで勝ち上がってきた。

決勝まであと1試合。
ここまで来たら、どちらが決勝進出にふさわしいかといった差は無いに等しい。
より勝利を渇望しているチームに勝って欲しい。

そして両者には技術うんぬん以上に、巨人たちを打ち破った時に見せたファイティング・スピリッツを、もう一度見せてもらいたいと思う。

2ndレグでは、泥臭くとも全てを出しあうような死闘を期待したい。

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