インテル・ミラノとバイエルン・ミュンヘン、ビッグイヤーはどちらの頭上に輝くのか?

ワールドカップまで1ヶ月を切り、日本国内ではJリーグが中断期間に入った。

そしてヨーロッパ各国でも、多くのリーグが全日程を終了。
いよいよ世界中がワールドカップモードに入ってきている感がある。

しかしその前にまだ1つ、世界が注目するビッグマッチが待っている。

UEFAチャンピオンズリーグのファイナルである。

インテルとバイエルン、その共通点の数々

今年のファイナルはインテル・ミラノとバイエルン・ミュンヘンの顔合わせとなった。

「掛け値なしの最強対決」と呼ばれた昨年のバルセロナ x マンチェスター・ユナイテッドの決勝ほどの派手さは無いものの、実力派のチーム同士が激突する玄人好みの対戦カードと言えるだろう。

そしてこの両チームには、多くの部分で共通点が見られるという意味でも興味深い対戦となったのである。

1つはまず、インテルもバイエルンも今シーズンに国内でリーグ、カップの2冠を達成していることである。

つまり両チームともが3冠を賭けてこのチャンピオンズリーグ決勝に臨んでくるということだ。

また両チームは、ともに優勝候補に挙げられていた “巨人” を倒して決勝まで勝ち上がってきたという点でも共通している。

バイエルンは2回戦で昨年準優勝のマンチェスター・ユナイテッドを撃破

インテルもまた、準決勝で昨年度チャンピオンのバルセロナを下している

この2試合はどちらも “死闘” と呼ぶにふさわしい、大会屈指の好ゲームであった。

このタフな試合を制した両チームは、肉体的にも精神的にも強靭で、かつ非常に訓練された組織を持っていることを世界に証明したわけである。

さらにこのファイナルはレアル・マドリードの本拠地サンチャゴ・ベルナベウで行われるのだけれども、両チームにはかつてレアルに所属した選手が数多く在籍している。

バイエルンのアリエン・ロッベン、インテルのウェズレイ・スナイデル、エステバン・カンビアッソ、ワルテル・サムエル、サミュエル・エトーらはいずれもレアルで才能を披露しながら、最終的には放出された経験を持つ。
マドリードで行われる今回のゲームは、そのリベンジの舞台をも兼ねているのである。

これら多くの共通点を持つインテルとバイエルンの対戦なのだけど、さらにこのカードは「因縁の対決」という側面も持っている。

この両チームを指揮する監督は、かつて師弟関係にあった2人の名将、ルイス・ファンハールとジョゼ・モウリーニョなのである。

かつての師弟対決、ファンハールとモウリーニョ

97年から2000年の間、バルセロナで指揮をとったファンハール。
そしてその当時、バルサのアシスタントコーチを務めていたのがモウリーニョだった。

その頃のファンハールはアヤックスでUEFAチャンピオンズリーグ優勝を経験し、すでに世界的な名将の地位を確立していた。
それに対してモウリーニョは、まだ監督経験のない無名の青年指導者に過ぎなかった。

しかしその後、モウリーニョはベンフィカで監督デビューを果たすと、わずか4年後の04年にはFCポルトを指揮してチャンピオンズリーグのタイトルを獲得。

師匠のファンハールに、実績面でも肩を並べたのである。

2人はともに稀代の戦略家であるけども、そのサッカースタイルは異なる。

オランダ人のファンハールが、トータルフットボールの流れを汲む攻撃サッカーを指向するのに対して、モウリーニョはより守備を重視するリアリスティックな監督である。

勝負強さという意味ではモウリーニョの采配がより堅実という印象も受けるけれど、ファンハールのバイエルンもマンU戦で圧倒的劣勢から逆転勝利を収めたように、ここ一番での精神力は半端ではない。

どちらの監督も制圧することが非常に困難な、しぶといチームを作り上げてきたと言えるだろう。

ビッグイヤーはどちらの頭上に輝くのか?

実力伯仲の好カードだけに、このファイナルの勝敗予想は極めて難しい。

一つ言えることは、この試合はおそらく接戦になるだろうということだ。

場合によっては延長戦やPK戦もありうる、1点差以下の勝負になりそうな予感がする。

でもまあ、これで間違ってたらカッコ悪いので予想はこのへんで。

とにかくもうすぐ、ワールドカップに次いで重要な試合が始まるのである。

個人的にはインテルとバイエルンのどちらも好きだし、どちらが勝ってくれても構わない。

ただチャンピオンズリーグ決勝にふさわしい好勝負を観ることができれば、それこそが僕たちサッカーファンにとっての勝利だと言えるのではないだろうか。

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