いよいよワールドカップ開幕まで10日を切って、各国のテストマッチが真っ盛りだ。

そんな中、グループリーグで日本のライバルとなるオランダ代表が、ガーナ代表と親善試合を行った。

そこで見られたのはグループ最強と見られているオランダの、評判通りの強さである。

オランダが誇る「スーパーカルテット」

今のオランダ代表には、「スーパーカルテット」と呼ばれる4人の名手がいる。

アリエン・ロッベンとウェズレイ・スナイデル、ロビン・ファンペルシー、ラファエル・ファンデルファールト。
確かにこの4人の凄さは半端ではない。

ロッベンとスナイデルは、今年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝を戦ったバイエルン・ミュンヘンとインテル・ミラノで、それぞれエース格として君臨した選手たち。
ファンデルファールトは “銀河系軍団” レアル・マドリーでレギュラークラスとして活躍したし、ファンペルシーはそんなタレント揃いのオランダ代表の中でも1・2位を争う天才(だと僕が勝手に思っている)プレーヤーだ。

かつてのファンバステン、フリット、ライカールトの「オランダトリオ」ほどの迫力はないものの、この「スーパーカルテット」も、それぞれが世界的な名手であることは間違いない。
この4人が揃い踏みを果たしたら、おそらく対戦相手ですら魅入ってしまうほどの華麗な攻撃が展開されるのではないだろうか。

しかし、華麗さは常にリスクと隣り合わせである。
かつて日本でも、中田英寿・中村俊輔・小野伸二・稲本潤一の4人が「黄金の中盤」としてもてはやされた時期があった。
しかし結局、この布陣は最後まで機能しないまま自然消滅してしまった。
オランダ代表のファンマルバイク監督も、スーパーカルテットの同時起用には慎重になっている。

この試合でもロッベンが故障で大事をとったこともあって、スーパーカルテットの競演はけっきょく実現しなかった。

ポスト「スーパーカルテット」となる天才児、イブラヒム・アフェライ

しかしその代わりに、このカルテットに割ってきそうな選手たちも登場してきている。
PSVアイントホーフェンで急成長を見せる若き天才児、イブラヒム・アフェライがその代表格だ。

アフェライは弱冠 17歳で名門PSVでデビューを果たした、かつての “天才少年” である。
しかしその後の彼は、持てる才能を安定的に披露することができない時期が続いた。

それでも 08年のヨーロッパ選手権の代表メンバーに選ばれ、ビッグトーナメントでのデビューを飾ると、そこからはコンスタントに活躍を見せ始める。

この日の試合でもアフェライは、得意のドリブルでアグレッシブに仕掛けるケレン味のないプレーを披露していた。
本大会でアフェライがロッベンやファンデルファールトをベンチに追いやることも、あり得ない話とは言い切れないだろう。

しかしそれでもこの試合で決定的な仕事を果たしたのは、やはりオランダが誇る「スーパーカルテット」の面々だった。

オランダが見せつけた、爆発的な攻撃力

まずは29分、スナイデルのスルーパスに抜け出したファンペルシーがシュート。それをガーナGKキングストンが弾いたところにディレク・カイトが詰めて、オランダが先制。

73分にはスナイデル→ファンデルファールト→マルク・ファンボメルから、再びファンデルファールトにワンツーリターンが通り、DFラインの裏に抜け出したファンデルファールトが冷静に決めて2点目。

そして圧巻だったのが 79分。
オランダが得た右CK、キッカーはファン・デル・ファールト。
その左足から放たれた放物線は、ペナルティーエリアライン付近に立つスナイデルの元へ。そしてスナイデルが、このボールをボレーでシュートすると、ボールは針の穴を通すような軌道を描いてガーナゴールへと突き刺さったのである。

このスーパーゴールと全く同じようなシーンを、日本のサッカーファンは見たことがあるはずだ。

2000年のアジアカップ、日本対イラク戦。
右サイドで得たFKを中村俊輔がキック。そのボールがペナルティーエリア外から走り込んだ名波浩にドンピシャで合い、名波の左足ボレーが見事にゴールネットを揺らした、あのシーンである。

あの伝説のゴールと同じスーパープレーを、今度はオランダ代表がやってのけた。
まさにビューティフルゴール。スーパーカルテット恐るべしである。

試合のほうはさらに、ファンデルファールトの突破から得たPKをファンペルシーが決め、オランダが4点を奪って快勝した。

スーパーカルテットの3人はそれぞれ1ゴールずつを挙げ、全得点に誰かしらが絡む大活躍を見せた。
本大会では、さらにここにロッベンが加わってくる。

この4人にカイト、アフェライらを加え、中盤の華麗なパスワークも健在のオランダの攻撃力は脅威である。日本も苦戦はまぬがれないだろう。
僕が日本のDFだったら、ビビって尿意をもよおしてしまうかもしれないほどの破壊的なアタック力。

それくらいに、オランダの攻撃力はずば抜けていると言っていいだろう。

ワールドカップでしか味わえない、世界との真剣勝負

しかし当然ながら、それでも日本はひるまずに勝利を目指して戦って欲しい。

野球の松井秀喜がメジャーリーグに挑戦した当初、内角をアグレッシブに突いてくるアメリカの投手に苦しみ、先輩であるイチローに相談したことがあるらしい。その時イチローは、松井にこう言ったんだそうだ。

「そういう経験をしたいから、アメリカに来たんだろう」。

ワールドカップもこれと同じことだと思う。
オランダは強敵には違いないけれども、まさにそんな強豪チームと戦うために、日本代表は南アフリカへと旅立つのである。

昨年秋に、日本は親善試合でオランダに 0-3 の完敗を喫している。
本番となるワールドカップでは、その点差はさらに広がる可能性もあるだろう。

でも、そんな世界の強豪との真剣勝負をしなければ、自分たちの本当の力なんて分かりっこない。
ワールドカップはそんな力試しをするための、格好の舞台となるだろう。

4年に1回の大チャンスまで、あと10日あまり。

オランダは間違いなく強いだろう。
しかしそんな強い相手と真剣勝負を戦えることこそ、ワールドカップの最大の醍醐味なのである。

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