Photo by Wonderlane

シャルケ04は、昨シーズンのブンデスリーガで2位に入った強豪チームだ。

そんな名門チームに、内田篤人は今シーズンから入団した。

シーズン序盤で、早々にブンデスリーガUEFAチャンピオンズリーグにデビューした内田篤人。

それだけを見れば順調なスタートを切ったと言えるけれども、プレーの面では苦しんでいる。

もともとフィジカルとディフェンス面に課題を抱えている内田だったけれども、その課題はシャルケでも露呈してしまっていると言っていいだろう。
特にディフェンス面では、中途半端な位置取りからチャンスを作られるシーンが目立っていた。

そんな内田篤人が迎えたブンデスリーガ第8節、VfBシュツットガルト戦。
この試合は内田がどこまでその課題を克服できるのか、それを確認することが、僕の中でのひとつの焦点となっていた。

内田篤人の抱える課題

それは試合開始から間もない、15分の出来事だった。

内田篤人の守る右サイドに、シュツットガルトからの「侵入者」が現れる。
左サイドバックのコートジボワール代表、アルトゥール・ボカ。

攻撃力を売り物にするこの小柄なサイドバックは、スルーパスを受けながら内田の前に姿を現した。

それまでインサイドの選手をケアしていた内田は、そのマークを外してボカの対応に入る。

しかし内田がマークにつくより早く、ボカはダイレクトでグラウンダーのクロスを入れてきた。
これを中央で待っていたティモ・ゲプハルトに押し込まれて、ホームのシャルケは先制を許す。

またしても内田は、失点に絡んでしまった。

その後も試合は、アウェーのシュツットガルトが押し気味で展開していく。

劣勢のシャルケ。

しかし、その流れの中、起死回生の同点ゴールが生まれたのは 29分。

コーナーキックから、エドゥーのボレーシュートが見事に決まって、シャルケが 1-1の同点に追いついた。

前半の内田には、得意のオーバーラップを見せる場面がほとんど訪れなかった。
自身のサイドを割られて失点してしまったことも考えると、このまま試合が終わっていたら、この日も内田にとっては苦々しい思い出になっていただろう。

しかし後半に入ると、その流れは変化の兆しを見せ始める。

変化の兆しを見せた後半戦

後半に入ると試合は、一転してシャルケのペースになった。

前半は鳴りを潜めていた内田も、後半になると積極的なオーバーラップを見せるようになる。
その内田の積極性が、チームにいい流れをもたらしていたようにも思えた。

しかしシャルケは押し気味の展開だったにも関わらず、交代出場したシュツットガルトのマルティン・ハルニクに、ロングパス1本から追加点を決められてしまうのだから、フットボールというものは分からない。

ただし、この日はホームのシャルケにも、まだ勝ち運が残っていた。

78分、フリーキックからの競り合いから、シャルケに PKが与えられる。
これをクラウス・ヤン・フンテラールが決めて、シャルケが 2-2の同点に追いつく。

試合は結局このままタイムアップ。

シャルケがかろうじて敗戦を逃れ、勝ち点1を得てゲームは幕を下ろしたのである。

内田篤人が渡る「タイトロープ」

この試合は、内田にとってはドイツに渡って以来初めての、フル出場を果たしたゲームとなった。
実際のプレーぶりも、今季の中では最も安定していたと言っていいと思う。

前半は失点に絡んでしまう場面もあったけれど、それも完全に抜き去られたわけではなく、センターバックの守りにも問題はあったので内田だけの責任というわけでもない。

何よりも後半は持ち味の攻撃力も発揮していたし、課題の守備面でも落ち着いて対応する場面も見られていた。

内田篤人にとっては、一つの手応えを感じた一戦だったのではないだろうか。

しかし、だからと言って、内田篤人のシャルケでの将来は、何も保証はされていない。

自身のプレーの安定感もさることながら、いま一番心配なのは、シャルケ自体のチーム状態である。

昨季は2位だったシャルケ04だけれども、今季は現在なんと 16位と低迷。
しかもこの日の相手だったシュツットガルトは、18位で最下位のチームだった。

その最下位チームを相手にシャルケは、ホームのヴェルティンス・アレナで前半は押され気味の試合展開を許し、かろうじて引き分けるというショッパイ試合をしてしまった。

昨シーズンは2位、今季はラウール・ゴンザレスやフンテラールなどのビッグネームを補強した強豪が、このまま下位に低迷することを良しとするはずがない。

先日にはフェリックス・マガト監督の解任の噂も浮上。
チームがこれを否定したのでいったんは沈静化したけれども、今後もこの日のような不甲斐ない試合が続くようだと、マガト解任も現実味を帯びてくる。

聞くところによると、スパルタ指導のマガト監督に対する、選手たちからの不満の声も挙がっているそうだ。

それが本当だとすれば、ここからチームのモチベーションをV字回復させていくのは、かなりの至難の業だと言えるだろう。

そしてマガト監督は内田篤人にとっては、自分をドイツに連れてきた「恩人」でもある。

まだ課題の多い内田を、マガト監督は辛抱強く試合に使い続けてくれている。

しかし、内田はドイツ人の若手ではない。
外国人助っ人という立場である以上、一刻も早く明確な結果を残さなければ、その座は危ういものになってくるだろう。

もしマガトという後ろ盾がなくなったとしたら、内田に対する風当たりは、さらに強いものになる可能性も考えられる。

内田はこの日、ブンデスリーガでやっていくための、ひとつの手応えを感じたのかもしれない。
しかしそれでも内田篤人に、それを喜ぶ時間は与えられてはいないのだ。

内田篤人が刻んだ、確かな一歩。

しかし内田が、いつ揺らぐか分からない「タイトロープ」の上を渡っていることに、違いはないのである。

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