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関口宏のサンデーモーニングでなくとも、全国のフットボールファンが「天晴れだコレー!!」と叫んだことだろう。
香川真司がついに、ブンデスリーガでの初得点をマークした。
しかし僕は、「アッパレ」以上に彼にふさわしい言葉を知っている。
それは…
「偉い!」
そう、香川真司はたぶん、日本で1・2を争うくらい「偉い」フットボーラーなのである。
空振りに終わった日本人対決
ブンデスリーガを舞台にした日本人対決としても注目を集めたこの試合。
しかし、ヴォルフスブルクの長谷部誠が負傷上がりでベンチスタートとなり、それが実現したのはわずかな時間だけだった。
立ち上がりから終始、試合を支配したのはホームのボルシア・ドルトムント。
激しいプレスでヴォルフスブルクの動きを封じ、90分を通じてほとんど危ない場面を作らせない。
対するヴォルフスブルクは、エースストライカー、エディン・ジェコの個人技に頼った単発の攻撃にしか活路を見出せない。
ユベントスから加入した期待の天才ゲームメーカー、ジエゴもまだフィットしていないのか、ブレーメン時代の無双のプレーぶりとはほど遠い出来だった。
53分から途中出場した長谷部誠も、負傷明けということもあってインパクトあるプレーは見られず。
しかしその反面、ドルトムントの香川真司は相変わらずの輝きを放ったのである。
努力の天才、香川真司
香川真司の好きな言葉は「努力」だ。
ギャグ抜きでこの言葉を吐ける 21歳は、現代ではなかなかいないだろう。
ゆとり教育世代とは思えないほどの「熱さ」を、そこからは感じる。
だからたぶん、香川真司はどの分野に進んでも成功を収めたタイプの人間なのだろうと思う。
勉学に励んでいたら、東大を目指す受験生として駿台予備校の星になっていたかもしれない。
確かに想像する限りでは、香川真司には必勝ハチマキと牛乳ビンの底のような眼鏡がよく似合う。
しかし幸いにも香川は、フットボールの虜になった。
そして今、彼はブンデスリーガのピッチに立っている。
フットボールのファンとして、これを「偉い!」と言わずして何と言おうか。
香川真司を形容するに最もしっくりくる言葉。
それは「凄い」でも「カッコいい」でも「天才」でもなく、
「偉い!!」
なのではないかと、僕は勝手に思い込んでいる。
香川真司、その約束された未来予想図
50分、ヌリ・サヒンの目の覚めるようなミドルで先制したドルトムント。
そして、香川真司の運命の時間は 67分に訪れた。
ケヴィン・グロスクロイツからのスルーパスにタイミングよく抜け出し、ゴールキーパーと1対1になった香川。
これを右脚で冷静に流しこんで、嬉しいブンデスリーガ初ゴールをゲットした。
「言葉では言い表せられないほど嬉しい」と、これを表現した香川真司。
しかし、その感慨はすぐに薄れるだろう。
なぜなら、香川が今後ブンデスリーガでゴールを量産することは、半ば約束されているからだ。
僕は遠くない将来、香川真司が、高原直泰の持つシーズン通算 11ゴールという日本人の欧州主要リーグにおける得点記録を塗り替えるだろうと思っている。
松本零士と槇原敬之ではないけれども、「努力は人を裏切らない」。
そう確信させるだけのプレーを、「日本一偉いフットボーラー」香川真司はいま、僕たちに見せつけてくれている。
そんな気がするのである。
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