BeautyBeauty / ToriMBC

先日、うちの奥さんとの会話の中でのエピソード。

奥いわく「私、かっこいい男の人を見るよりも綺麗な女の人を見てるほうが楽しいんだよねー。」なんだそうだけど、「それをママ友に話したら、『私もそう!』ってなって盛り上がっちゃった!」とのことだった。

ちなみにうちの姉も若かりし頃、街中で可愛い女性を見かけるとドキドキしてしまうことがあったそうで「自分は変なのかも」と思い会社の先輩(♀)に相談したところ、「あー、そんなの私もそうだよ。普通普通。」と一蹴されたそうだ。

さらに、知り合いで「グラビアアイドルの写真を見るのが好き」という女性を、僕は何人か知っている。

つまり女性の持つ「美」には、男性だけでなく同性をも魅了するだけの力があるようだ。

そしてそんな「ビューティーパワー」が影響力を持つのは、スポーツの世界でも例外ではない。

フィギュアスケートは安藤美姫、浅田真央など美形のスターが誕生したことで絶大な人気を持つようになったし、女子の球技では最も人気があるバレーボールも、長身でスタイルの良い美女アスリート揃いだと評判だ。

ちなみに美女コンビとして話題になったバドミントンの「オグシオ」こと小椋久美子と潮田玲子のペアも自然に誕生したわけではなく、2人のルックスに目をつけたバドミントン協会が、人気向上の旗頭とすべく、若い頃からこのコンビに英才教育を施したというのもけっこう有名な話だろう。

スポーツの世界は実力主義の世界ではあるけれど、「人気」は必ずしも実力と比例するわけではなく、そこには少なからず “ヴィジュアル” の要素が含まれる。

特に体力の関係で、男子に比べればどうしても競技レベルでは見劣りしてしまう女子スポーツの場合、「いかにビジュアルの良いスターを生み出して人気を獲得するか」は、外野から見ている以上に切実な問題のようだ。

そして女子サッカー日本代表 “なでしこジャパン” は、長くこの「人気獲得」という面で苦戦を強いられてきた。

それはオリンピックやワールドカップでメダルを獲得したことがないという実力面の問題もさることながら、同時に上に挙げたような「ヴィジュアル面で突出したスター」が不在だったことも少なからず影響しているだろう。

モーグルの上村愛子もメダルを獲得した経験はないけれど、アイドル顔負けのルックスの良さからテレビや CMに引っ張りだこだった時期もある。

そんな選手が一人でもいれば。
女子サッカーがメディアで取り上げられる機会も、その人気も、今とは大きく変わっていた可能性もあったのかもしれない。

ターニングポイントとなった同点弾

サッカー・女子ワールドカップ2011、ドイツ大会。

準々決勝で地元ドイツを破るという大番狂わせを演じた日本代表 “なでしこジャパン” は、初の決勝進出とメダル獲得をかけて、スウェーデンとの準決勝に臨んだ。

最新の FIFA女子ランキングでは、日本の4位に対してスウェーデンは5位。

ランキングではわずかに日本が格上となるけれど、スウェーデンは 2003年のワールドカップで準優勝に輝いたこともある強豪国で、今大会でもグループリーグで世界ランク1位のアメリカを破っている。

日本にとっても、決して簡単な相手ではないことが予想されていた。

しかしなでしこジャパンはその予想を良い意味で裏切り、スウェーデンを寄せ付けない快勝劇を見せたのである。

両チームとも慎重な立ち上がりを見せた試合は、意外な形で動き出す。

前半 10分、日本は司令塔・澤穂希がバックラインへ出したパスをスウェーデンのジョセフィン・オクヴィストにカットされ、そのままドリブルで持ち込まれてミドルシュートを食らう。

これが決まって、日本が痛恨のミスから先制点を奪われてしまった。

サッカーの場合、先制点は極めて重要だ。
たとえ格下相手の試合でも、先制点を許すとそのまま 0-1などで逃げ切られるパターンは数多い。

この試合でも日本がこのスコアのままズルズル時間を浪費してしまっていたら、徐々に危険な試合展開に持ち込まれてしまう可能性もあった。

その意味で、この試合の最大のターニングポイントは、次の同点弾にあったと僕は考えている。

19分、中盤の中央でボールを受けた大野忍がドリブルを開始する。

国内リーグを代表するスター選手でありながら、今大会ここまでは満足行くプレーを見せられていなかった大野。

しかしこの試合では INAC神戸でホットラインを組む川澄奈穂美の存在もあってか、随所で積極的なドリブルを仕掛けるなどキレのあるプレーを見せた。

その大野が数名のディフェンダーのマークを浴びながら、重戦車のようなドリブルで左サイド前方へと突進していく。
ミドルシュートを警戒したスウェーデンのディフェンスは大野に集中し、対照的にスウェーデンの右サイドにはポッカリと大きな穴が開いた。

そして大野はそのスペースに、スウェーデンの裏をかいたパスを送る。

そこに走りこんでいたのが、宮間あやだった。

いわゆる “どフリー” の状態でこのボールを受けた宮間は、ここから左足ダイレクトでのクロスを上げる。

美しい弧を描いたボールはスウェーデンのディフェンス陣の頭上を超え、ゴールキーパーの眼前を横切ってファーサイドへ。

そしてここに、川澄奈穂美が飛び込んだ。

川澄がディフェンダーに押されながら体で押し込んだボールはゴールキーパーの脇を抜け、スウェーデンのゴールネットを揺らす。

1-1。

日本が失点からわずか 10分足らずという短時間で、見事に同点へと追いついたのである。

日本が見せた「独壇場」

そしてここからのゲームは、いわば日本の独壇場となった。

なでしこジャパンはドイツ戦のような華麗なパスワークを披露し、ゲームを完全に支配する。

ちなみにこの試合、日本は大会5戦目にして初めて先発メンバーにメスを入れた。

ここまで4試合で先発したフォワードの永里優季に代え、佐々木則夫監督は川澄奈穂美を初先発で起用。

そしてこのメンバー変更が、結果的に功を奏する。

ポストマン役だった永里に対し、川澄はスピードと運動量を活かして前線をかき回すタイプのアタッカーである。

ドイツ戦でも永里に代わって後半から出場した丸山桂里奈が前線をスピードで撹乱する動きが光ったけれども、ドイツと同じく大柄だけれどもスピードに欠けるスウェーデンのディフェンス陣は、川澄奈穂美と安藤梢、大野忍と揃った日本のスピーディーなアタック陣に翻弄されることになった。

そして待望の逆転弾が生まれたのは 60分。

右サイドから近賀ゆかり→大野忍のクロス→澤穂希が落として→川澄奈穂美が繋いだボールを、宮間あやがシュート。
これは DFにブロックされたけれども、そのこぼれ球を鮫島彩が拾って再びクロス→ Gkがこれを弾いたボールを澤穂希が頭で押しこんで、日本が 2-1と逆転に成功したのである。

澤にとっては1点目のミスを帳消しにする一発。

そして同時に、すでに試合のないブラジルのマルタと並んで、大会の得点王争いトップに躍り出る貴重なゴールにもなった。

続いてわずか4分後の 64分、日本に芸術的な追加点が生まれる。

左サイドから上がった宮間あやのロングボールを、スウェーデンGKがペナルティエリアの外に飛び出してクリアする。

しかしこのクリアボールを拾ったのは、日本の川澄奈穂美だった。

川澄はワントラップのあと瞬時にゴールキーパーの位置を確認すると、冷静にこのボールの底を叩く。

そこから放たれた放物線はキーパーの頭上を超え、計ったかのように鮮やかに、スウェーデンのゴールへと突き刺さったのである。

そしてこの芸術的ループシュートで日本が 3-1とした時点で、試合はほぼ「勝負あり」。

小国の国民性ゆえか、リードを広げられて以降はどこか淡白な空気を漂わせ始めたスウェーデン。
その反撃には得点の匂いは感じられず、逆に日本はさらにゆとりを持ってボールを回し続ける。

終盤には大会中ここまで出番のなかった高瀬愛実、上尾野辺めぐみの2人を投入する余裕を見せた日本が危なげない戦いぶりを見せ、そのまま試合は終了。

そしてこの瞬間、女子サッカー日本代表 “なでしこジャパン” のワールドカップ決勝進出と、世界大会で初のメダル獲得が決定したのだった。

なでしこジャパンの見せた「ビューティーパワー」

今大会での日本は、試合ごとに「日替わりヒロイン」を生んでいる。

緒戦のニュージーランド戦のヒロインは、途中出場で劇的に流れを変えた岩渕真奈。
続くメキシコ戦ではハットトリックの澤穂希。
ドイツ戦では、延長後半にドラマチックな決勝ゴールを決めた丸山桂里奈。

そしてこのスウェーデン戦での主役は、間違いなく2ゴールで勝利に貢献した川澄奈穂美だっただろう。

川澄は現在、国内最高峰の女子サッカーリーグ「なでしこリーグ」で首位を走る、INAC神戸レオネッサに所属するストライカーだ。
またチームメイトの大野忍と並んで、リーグの得点ランキングでもトップタイの6得点を挙げている。

僕は INAC神戸を応援しているので今シーズンも何度かその試合を観たけれども、川澄のスピードとテクニック、得点力はリーグでも群を抜いた存在で、澤穂希や大野忍と並んで INAC躍進の原動力になっている。

イングランド戦の記事でも書いたように、僕は川澄の先発起用を大会当初から期待していたのだけれども、この準決勝で見事に結果を出してくれて、個人的にも嬉しいの一言だった。

川澄は 64分に交代する際、代わって入る永里優季とがっしりと抱擁をかわし、その後ベンチから仲間たちを見守る目には、光るものが浮かんでいたように思えた。

自身初となるワールドカップ。
そこで体験した初先発の試合。
しかも準決勝という重要な試合で2ゴールという大仕事をやってのけたことで、川澄本人にも感極まるものがあったのだろうか。

そしてこの大舞台で川澄奈穂美が活躍したことは、日本の女子サッカー界にとっても非常にエポックメイキングな出来事だったように僕は思うのだ。

なでしこジャパンは前述したとおり、ヴィジュアル面で衆目を集められるスター選手をなかなか生み出すことができないでいた。

しかしドイツ戦での丸山桂里奈、そしてスウェーデン戦での川澄奈穂美と、ルックス面でもアピールできる選手が立て続けに活躍を見せたことで、世間一般の女子サッカーのイメージにも一石を投じることができたのではないだろうか。

実際、最近のなでしこジャパンは「美人度」という点でも飛躍的にレベルアップを果たしている。

川澄奈穂美、丸山桂里奈、鮫島彩、安藤梢、近賀ゆかり、宇津木瑠美、上尾野辺めぐみ、岩渕真奈あたりは普通に見ても美人の部類に入るだろうし、他の選手たちもそれぞれに魅力的な部分があると僕は思う。

さらに若い世代からは原菜摘子、高良亮子、田中陽子、猶本光、仲田歩夢、長澤優芽など美人なでしこ予備軍(?)も着実に育ってきている。

そして僕が何をそんなに血マナコになって力説しているのかと言うと、要するに「女子サッカーには美人が少ない」という間違ったレッテルを、この大会を機に払拭してほしいと願っているからだ。

ちなみにこの試合の視聴率は、地上波とBSを合わせて朝5時までが 8.6%、5時以降が 15.5%を記録したそうだ。
未明〜早朝にかけての放送であることを考慮すれば、普通では考えられない驚異的な数字だと言っていいだろう。

その後も「めざましテレビ」ではトップニュース扱いで 20分近くこの試合の映像が流れていたし、他局や他番組、他のメディアでも大きく報じられていただろうから、女子サッカーの宣伝という意味ではそれだけでも数億円、もしくは数十億円単位の宣伝効果があったのではないだろうか。

そしてそれだけメディアの注目が集まった試合で、川澄奈穂美や鮫島彩のような美人フットボーラーの活躍が報じられたことに、非常に大きな意味があったと僕は考えているのだ。

この試合の報道を受けて、「女子サッカーにも可愛い選手がいるじゃんか!!」と感じた一般人はかなりの数にのぼっただろう。

そしてその中には、男性だけでなく女性の関心を引いた例も、少なからず存在したのではないかと推測する。

フィギュアスケートがそうだったように、美人アスリートの活躍はその競技の人気を刺激する。

彼女たちの活躍を見るために、なでしこジャパンの試合ではテレビ視聴率が上がり、なでしこリーグの会場では観客が増え、彼女たちに憧れた少女たちがサッカーをプレーし始めるのではないか。
そしてそれら全てが良い循環を生み、さらなる女子サッカーの発展へと繋がっていくはずだ。

もちろん行き過ぎたスターシステムには弊害もあるけれど、現在の日本の女子サッカーの置かれている状況を打破するためには、今回の決勝進出は極めて大きな起爆剤となった。

僕はこれを機に、女子サッカーを取り巻く環境に大きな変化が生まれてくれることを期待している。

なでしこジャパン、いざ決戦へ

ところで次はいよいよ決勝戦である。

正直言うと僕は、大会前には日本が決勝戦まで進出するとは夢にも思っていなかった。
大会直前の韓国戦が大きな期待を感じられるものではなかったこともあって、普通に行けばベスト8、運が良くてもベスト4程度だろうと予想していたのである。
それについてはこの場を借りて、選手・スタッフの皆さんに頭を下げたい。

そして決勝の相手は、世界ランキング1位のアメリカに決まった。

日本はアメリカと過去に 24回対戦して、1回も勝ったことがない。

そしてアメリカは今大会にも、非常にバランスのとれた好チームを送り込んできている。

前線には 181cmの超大型エースストライカー、アビー・ワンバックと、次世代を担うスピードスター、エイミー・ロドリゲスの2枚看板が並ぶ。

また中盤の両サイドにはスピードあるアタッカーを揃え、2枚のセンターハーフは攻守ともに戦術眼が高い。
ディフェンスラインは走力のある両サイドバックと、フィジカルに長けたセンターバックを並べ、最後尾には世界屈指のゴールキーパーであるホープ・ソロが構える。

全体を見渡しても、ほとんど穴のないチームだと言えるだろう。

ただ、付け入る隙が全くないかと言えば、そんなことはなさそうだ。

準決勝のフランス戦でアメリカは 3-1と勝利したけれど、比較的日本と似た、パスを繋ぐスタイルのフランスに対して、アメリカはむしろ押し込まれる時間帯も多いような戦いぶりを見せていた。
結果的には同点に追いつかれた後に、セットプレーとカウンターで何とか逃げ切ったような試合。

その勝負強さと決定力はさすがだったけれども、グループリーグでスウェーデンに苦杯を喫していることを考えても、日本にも可能性は充分にあるのではないだろうか。

また過去にアメリカに勝ったことがないとは言っても、日本は同じく一度も勝ったことがなかったドイツを下して、この決勝戦まで駒を進めてきたのである。

なお、日本が FIFA主催の世界大会で決勝まで進むのは、今大会が3回目になる。

初めて決勝の舞台を踏んだのは小野伸二や遠藤保仁、高原直泰、小笠原満男たち「黄金世代」を擁した ’99年のワールドユース(現 U-20ワールドカップ)。

2回目は決勝で宿敵・韓国に敗れ涙を飲んだ、昨年の U-17女子ワールドカップ。

今回のなでしこジャパンの挑戦は、日本サッカー界にとっての「3度目の正直」になるのだろうか。

いや、むしろ黄金世代から 12年間待ち続けたサッカーファンとしては、「そうなってもらわないと困る」というのが本音でもある。

決戦まではあと2日。

いま世界は固唾を飲んで、その時の訪れを待っている。

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