いま、女子サッカーのためにできること/なでしこリーグ@日テレ・ベレーザ 0-3 浦和レッズ・レディース

僕が女子サッカーに興味を持ち始めて、2年ほどになる。

まだまだニワカの域を出ないけれども、この2年間で、女子サッカーにかける思い入れだけは強くなってきた。

女子サッカーの人気は、未だに高いとは言えない。
男子のそれとは雲泥の差がある。
でも時間はかかっても、少しでも男子の人気に近づいてくれたらなぁと思っている。

それは代表の強化のためでもあるけども、
一番は女子サッカー選手たちが、サッカーに打ち込めるように。

チームが無くなったり、生活に窮して引退を余儀なくされたり、そういう事例が少しでも減ってほしいからだ。
そのためにまず必要なのは、やっぱり「人気」だと思う。

人の集まるところにはお金が集まる。
お金が集まれば、生活に困ることはない。

至極単純だけど、資本主義の原理原則。

まずはなでしこリーグが、集客力のある魅力あるリーグになること。
女子サッカーの発展のためには、それは避けては通れない。

そしてこの日曜日に行われたのは、そのなでしこリーグで現在2強を形成する両チーム、日テレ・ベレーザと浦和レッズ・レディースの一戦だった。

なでしこリーグの雌雄を決する大一番

西が丘サッカー場で開催されたこのゲームを僕が観れたのは、テクノロジーの発展のお陰でもある。

今年からなでしこリーグは公式サイトでネット中継が実施されているけれども、この試合はその生中継の対象になっていた。

しかしそこはやっぱりネット。
テレビに比べれば画像は粗いし、動きもカクカクだ。
…が、文句は言うまい。
お陰で関西に住んでいても、この大一番が見られるんだから!

僕がこの試合で注目していたのは、日本の女子サッカー界を牽引する両チームが、どんなハイレベルな試合を見せてくれるのかということだった。

ちょうど一週間前にも、同じカードでリーグカップの決勝があった。
こちらはテレビ中継がまだなので僕は見れていないんだけども、なかなかの熱戦だったらしい。

本当はそっちとも見比べてみなければ、今回のテーマは判断がつかないのかもしれない。

ただ、とりあえずその2連戦のうちの前半戦(本当は後半戦なんだけど)ということで、この試合がどんな塩梅だったのかを考えてみたい。

そしてとりあえずの僕の感想としては、ちょっと物足りなかったなぁというのが正直なところである。

物足りなかった首位攻防戦

結果はアウェーのレッズが 0-3の快勝。

ただ、内容的には点差ほどの差はなかったように思えた。

前半はおおむね互角の内容。

0-0で折り返した後半、55分にコーナーキックからレッズが先制。

その後もベレーザの反撃を受け止めながら効率よく加点したレッズが、結果的に大勝したという印象だった。

この勝利でレッズとベレーザの勝ち点は22で並んで、得失点差で上回ったレッズが逆転で首位に立つ。
ちょうどシーズンの前半戦を終えたなでしこリーグは、盛り上がりという意味では、これで面白い展開にはなってきた。

ただ試合自体は、首位攻防戦としてはちょっとアグレッシブさに欠ける、凡戦だったかなぁ、という印象だ。

この試合では 1,800人を超えるファンが来場したらしい。

1,800人と言うと少なく感じられるかも知れないけれど、僕がこれまでに観た神戸の試合平塚の試合では、それぞれ 700人くらいの入りだったから、それと比べれば約 2.5倍の大入りだ。

それくらい注目を集めるカードだったと言えるだろう。

そしてそれだけに、この試合では何とか好ゲームを期待したいところだった。

ちなみに岩渕真奈BBSケンさんの記事によると、15時キックオフだったこの試合、会場の西が丘はたいそう暑かったそうだ。

なるほど、画面からはそれは伺い知れなかったけれど、そういう事情なら低調な試合内容にも合点がいく。
選手たちに、あまり多くを求めるのは酷な気象条件だったのだろう。

確かに考えてみれば、この猛暑の中で日中に試合をすること自体が尋常ではない。
僕なんか歩いてるだけでも溶けそうになるんだから、試合なんかほとんど自殺行為に近いと思う。

本当はナイターでやるべきなんだろうけど、その場合に負担される開催費用や設備の問題で、たぶん敬遠されているんだと思う。
事情は分かるけど、今のままでは選手があまりにも不憫だし、ゲームの質の低下は女子サッカーの人気向上にも妨げになるんではないかと僕は思った。

たとえばだけど、男子のほうではほぼ見送られた「秋春制」のシーズン開催を、なでしこリーグに限り検討してみるのも一案ではないだろうか。

僕は基本的には秋春制には反対の立場なんだけども、それは北国のファンの人たちの苦労を考えてのことだ。

でもオフシーズンの長いなでしこリーグなら、冬の時期をうまく避けて北国のチームのホームゲームをやりくりすれば、できないことはないような気もする。

それでこの酷暑を避けられて選手たちの健康を守り、ゲームの質の向上が期待できるのならば、いい解決策のようにも思えるんだけど、どうだろうか?
リーグの偉い人たちには、一度検討をお願いしたいところである。

なでしこリーグの人気向上のためにできること

集客面では苦戦が続くなでしこリーグ。

今季のリーグ全体を見ても、半分以上の試合は観客動員数 1,000人を割った。

でもこの数字を上げていかなくては、女子サッカーの明るい未来は見えてこないだろう。

では、どうやって人気をアップさせていけばいいのか。

これは僕なんかが考えてどうこうできる問題でもないんだけど、とりあえず個人的に考えてみたのは以下のような内容になる。

1、試合のレベルアップと魅力あるゲームの提供
2、メディアへの露出の拡大
3、(2、とも絡めて)集客力のあるスター選手を増やす
4、Jリーグチームとの提携、場合によっては合併
5、女子サッカーの競技人口の拡大、そのための普及活動
6、地道な地域密着活動
7、他のスポーツチームのない地方都市などをホームタウンにしての、地域密着の強化

これについてはまた機会を設けて詳しくまとめたいところだけども、ポイントになるのは「4〜7」だと個人的には思っている。

レッズは「4」の成功例だろうけど、これらの施策を複合させて少しずつ人気向上を図っていく事が必要なのかなと思う。

ただ、僕たちファンからすれば、まずは自分自身が少しでも多く試合会場に足を運ぶことが、一番大事なことなのかも知れない。

岩渕真奈の見せる成長の跡

ところで今日の岩渕真奈選手は。

先発しながら後半75分に交代と、僕が今まで観た中では一番早い時間帯で交代させられていた。

個人的には今日のプレーは、可もなく不可もなくといった印象。

前半5分にドリブルで切れこんで GKと1対1になるような場面も見られたし(シュートは外れたけど)、大野忍とのパス交換からチャンスを作る場面も目立っていたように思う。

ただ、確かに決定的チャンスにはあまり絡めていなかった。

それでも僕が感心したのが、以前に比べてかなりディフェンスを頑張るようになってきていることだった。

これは少し前から気づいていたんだけども、本人も「苦手」と言っていたディフェンスの部分でも、努力して成長していこうという跡が見られたように感じた。

何やかんや言っても、負けず嫌いの努力家である。

こうやって次々と課題を克服して成長していくところが、岩渕真奈の岩渕真奈たるゆえんなんだろう。

そんなわけで、運営面も含めて課題が散見されたこの試合。

でも女子サッカーの未来のために、今できることを少しずつやっていくのも、ファンの役目だと僕は思っている。

とりあえずは試合に足を運ぶこと。

それができない時でも、何らかの形で女子サッカーの普及活動に貢献していくこと。

まずは自分自身にそういう課題を課しながら、これからも女子サッカーを応援していきたいと思う僕なのだった。

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