Photo by naitokz

日本がやってくれた。

トリニダート•トバゴで行われている、2年に1度の U-17女子ワールドカップ。

この重要な大会で若きなでしこたちは、姉貴分の U-20が成し遂げられなかった「決勝トーナメント進出」という目標を達成し、ベスト8に進出したのである。

ニュージーランド戦、日本が見せた大勝劇

初戦でスペインに 1-4と大敗し、いきなり崖っぷちに立たされた「リトルなでしこ」
(ちなみにフジテレビは女子 U-17ではこの呼称を定着させる腹積もりらしいので、当ブログも乗っかります)。

しかし前節ベネズエラ戦での 6-0の圧勝劇で息を吹き返した彼女たちは、続くこのニュージーランド戰も同じスコアで大勝し、見事大逆転の末に決勝トーナメント進出を決めたのだ。

ただしこの試合、序盤はベネズエラ戦よりも難しいスタートを強いられる。

日本と比較的スタイルの近いベネズエラに対して、ニュージーランドは大柄な選手を揃えたヨーロッパ型のチーム。
そのフィジカルの強さに、はじめは日本も戸惑う場面が見られた。

苦戦の雰囲気も漂いはじめた序盤戦。

ただ、そんな嫌なムードを振り払うのに、それほど長い時間はかからなかった。

24分、長澤優芽のロングフィードをペナルティエリアで受けたのが、FW横山久美。
横山はこれをワントラップすると、右足で豪快にシュートを叩き込む。
これが決まって、日本は難しい流れを断ち切る待望の先制点をゲットする。

しかしニュージーランドはその後も集中した守りを見せて、巧みにパスを回す日本に最終ラインまでは割らせない。
けっきょく前半は、1-0のまま折り返す形となった。

日本のゴールラッシュが始まったのは後半からだった。

58分、左サイドで再びボールを受けた横山が、今度はドリブルで中央に斬り込む。

間合いを測りかねるニュージーランド。

ボールホルダーの横山は1人をかわすと、ポッカリと空いたゴール前のエリアに侵入。

ここで右足から放たれた弾道は、一直線の軌道を描いて、ニュージーランドゴールに突き刺さったのである。

そして3試合連続の自身4点目、チーム内得点王となるこの横山久美のスーパーゴールが、日本の猛攻の口火を切ることになる。

直後の 59分、ハーフウェーライン付近から数十メートルを持ち上がったのは、中盤の要の田中陽子。
ペナルティエリア付近まで侵入した田中は、疲れを知らないかのように華麗に2人をかわすと左足を一閃。

このミドルシュートが決まって、日本が3点とリードを広げる。

続く74分、ドリブルで駆け上がった田中美南が、横山・田中陽子に負けじと豪快なミドルを決めて4点目。

89分には、再び田中陽子が正確なミドルシュートを突き刺して5点目。

ダメ押しはロスタイム。

交代出場の和田奈央子のスルーパスから、同じく交代出場の本多由佳が抜けだしてGKと1対1に。
これを本多が冷静に決めて、日本の6発の快勝激を締めくくった。

日本の選手たちの分けた「明」と「暗」

2試合で 12得点と、大爆発を見せたリトルなでしこ。

ただし、全ての選手が最高のパフォーマンスを見せたのかというと、そうとも言えない。
選手ひとりひとりにフォーカスすれば、明暗を分けたと言ってもいい一戦だった。

今回はあえて「暗」だった選手から触れてみたい。

最も不振を囲ったのは、エースストライカーの京川舞だろう。

前節はハットトリックと爆発した京川も、このニュージーランド戦では決定機を外すなど絶不調。
チャンスにもほとんど絡むことができず、63分にベンチに退いた。

怪我の影響もあったのだろうと察する。
しかし試合ごとに波が激しくなってしまいがちなのが、この年代の難しいところでもある。

結果として京川舞は、前節で昇りかけたニューヒロインの座から、いったん退くことになってしまった。

京川のほかにも、日本が誇るアタッカー2人も悔いの残る出来だった。

トップ下の川島はるな は小気味良いテクニックを披露していたけれども、決定的チャンスを外すなど、フィニッシュの精度に課題が見られる。

チャンスに絡めるポジションながら、今大会ここまでノーゴールというのはあまりにも寂しい。
日本の躍進のためには奮起を期待したいところである。

また左サイドのキーパーソン仲田歩夢は、この日は出場すら叶わず。

コンディションの問題などがあったのかもしれないけど、仲田も前節まではチャンスに決めきれないシーンが目立っていた。

大きい大会になればなるほど、その決定力というのが問われてくるところだろう。

逆に「明」の筆頭株には、2得点と爆発した横山久美が挙げられる。

序盤の悪い流れを引きずれば難しい試合になっていた可能性もあるゲームの中で、見事にチームを勢いづかせる先制点と2点目をゲット。

エースの京川舞の影に隠れる存在だったストライカーが、気がつけば3試合連続の4得点でチームのトップスコアラーに躍り出た。

155cmと小柄ながら、シュートはいずれも正確かつ強烈。
将来にも大きな期待を抱かせるストライカーだ。

しかし僕が最も注目したのは、これまでの2試合同様、まばゆい輝きを放った中盤のキープレーヤー。

ボランチの位置から、攻守のあらゆる場面に顔を出すミッドフィルダー。
8番の田中陽子選手である。

3たび輝いた「コンプリート・ミッドフィルダー」、田中陽子

田中陽子は、この日も好プレーを見せていた。

大車輪の活躍だった前節ベネズエラ戦に比べれば、若干ミスも目立っていたけれども、それでもハイレベルなプレーを披露していたことに疑いの余地はない。

テクニック、戦術眼、運動量、得点力の全てを備えた万能型ミッドフィルダー。

例えるならスティーブン・ジェラードやポール・スコールズのような、欠点のない “コンプリート・ミッドフィルダー”。

それが田中陽子だ。

前回大会でもわずか 15歳で3試合に出場した田中陽子は、2年後の今大会では完全にチームの中核をなす選手へと成長を遂げている。

日本がもしこのまま快進撃を続け、優勝トロフィーを手にするようなことがあれば、岩渕真奈に続く2大会連続 MVPの名前に田中陽子が挙げられても全く不思議はないだろう。

それだけ鮮烈な印象を、今大会の田中陽子は見せつけている。

僕の中では、ポジションは全く違うけど、岩渕真奈の存在感に確実に近づいてきていると言っていいだろう。

ちなみに余談ながら田中はルックス面でも、ボーイッシュな岩渕とはまた対照的な、日本女性らしい美しさを持った美少女である。

サッカー好きの僕としては、サッカーが上手い女性はその時点で魅力度 200%アップなのだから、それで容姿端麗ならとんでもないことになる。

う〜ん、男子の選手にキャーキャー言う女性ファンの気持ちが分かるなコレ。

なお岩渕真奈・田中陽子のほかにも、この世代にはビジュアル面でも充分一般受けするような選手たちが多い。

いや本当に、一昔前とは隔世の感がありますねぇ。

まあ考えてみれば男子の代表も結構なイケメンぞろいなので、女子もだんだんとそうなっていくのは自然な流れなのだろう。

何にしても見ているぶんには楽しみが増えて良い。
それに、そういう理由からでも女子サッカーに注目が集まってくれるのであれば、今後のサッカー界にとっても明るい材料になるだろう。

ぜひ巷のサッカーファンの方々には、どんなきっかけからでも良いので、女子サッカーにも目を向けてほしいなと思う。

リトルなでしこ、その夢の頂点へ

これでグループ2位となった日本は、逆転での決勝トーナメント進出を決めた。

そしてこの時点で、2年前の成績に並んだことになる。

岩渕真奈という天才を擁して、グループリーグを3連勝で突破した前回大会。
あの伝説のチームに、2010年版リトルなでしこは肩を並べたわけだ。

グループリーグ終了時点では優勝候補にも名前が挙げられた2年前はしかし、決勝トーナメント1回戦でイングランドに PK戦で敗れて涙を飲んだ。

今年の1回戦の相手も、イングランドと似たスタイルと思われるアイルランド。
ブラジルやガーナなどの強豪を下し、グループリーグを1位通過で突破したチームだけに、決して侮れない相手に違いはない。

しかしここまで来たら、不可能と言えるようなことはほとんど無いだろう。

だから僕は、大いに期待してしまう。

リトルなでしこたちには、是非とも2年前に叶わなかった夢を実現させてほしい。

それはただ一つ。

そう、「優勝」というその二文字を。

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