今回のワールドカップはアフリカで行われている大会である。
アフリカといえば今でこそ世界の強豪の地位を確立しているけれども、20年くらい前まではマイナーな弱小地域のひとつに過ぎなかった。
そんなアフリカが変身した理由は色々と考えられるけれど、若手の育成に力を入れたことも大きな理由のひとつになるだろう。
そして U-17や U-20などの育成年代での実績で、ナイジェリアと並び立つ「アフリカの雄」が、ガーナである。
躍進を見せるアフリカの雄
今大会のガーナは、チームの「顔役」となるマイケル・エッシェンを怪我で欠いていた。
しかし昨年の U-20ワールドカップで優勝したメンバーを中心に若手が順調に育っていることもあって、この試合でもその不在は感じさせなかった。
実際ガーナは、エッシェンと並ぶスター選手であるスレイ・ムンタリ、スティーブン・アッピアーなどを先発から外して臨んだのである。
しかし対戦相手のセルビアも、インテルでチャンピオンズリーグ優勝メンバーとなったデヤン・スタンコビッチを筆頭に、ヨーロッパ主要リーグで活躍する選手を多数抱える強豪国。
試合は前半は、どちらかと言えばセルビアのペースで展開した。
この両チームはどちらも、セルビアならサイドアタック、ガーナはアーリークロスからのFW勝負、という攻撃の「型」を持っている。
ただし、ともに最後の崩しやフィニッシュの場面でのアイディアを欠いていて、裏を返せば「型」を封じられると手詰まりになってしまう課題を抱えていた。
この試合でも、試合途中からは単調なペースでの展開が続き、スコアレスのまま時間は過ぎて行った。
そんなゲームに転機が訪れたのは 74分。
セルビアのアレクサンダル・ルコビッチが、2枚目のイエローカードで退場となってしまう。
ここからペースはガーナに傾いた。
それでもセルビアも意地を見せ、CSKAモスクワで本田圭佑のチームメイトであるミロシュ・クラシッチが決定機を迎えたものの決めきれない。
そして逆に試合終了間際の 85分、ズドラフコ・クズマノビッチが不用意なハンドからPKを与えてしまい、これをガーナが決めて勝負あり。
1-0のスコアでガーナがセルビアを下し、貴重な勝ち点3をゲットした。
ワールドカップに吹く「アフリカの風」
今大会はアフリカの大会だと言われている。
アフリカ勢の躍進が期待されている訳だけども、ここまでアフリカ勢は3試合を戦って1勝1敗1分けの戦績である。
ただし、アルジェリアはアフリカというよりもアラブのチームのイメージが強いので、それを除けば1勝1分けの負けなしだとも言えるだろう。
確かに、アフリカに追い風は吹いているのかもしれない。
そして次に登場するアフリカ勢は、「不屈のライオン」カメルーン。
対戦相手はもちろん、我らが日本代表である。
日本はカメルーンに勝ち、アフリカの風をストップすることができるのだろうか?
決戦の時はもう、すぐそこにまで迫っている。
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