わたくしゴトながら、僕は高校時代にラグビー部に所属していた。

ラグビーというのは基本的に「痛い」ものである。
フィジカルコンタクトを前提としたスポーツだけに打ち身・擦り傷は当たり前、試合中に脳震盪を起こして救急車で運ばれていく姿を見たことも1度や2度ではなかったりする。

だからなのか知らないけども、自分たちよりも遥かに強いチームと対戦する時、僕たちはかなりビビっていた記憶がある。
本当に強いチームと対戦すると、「恐怖」を感じることがあったのだ。

確かに実際の試合が始まると、相手チームの重量級フォワードに2〜3人でタックルを仕掛けに行っては吹っ飛ばされたり、50-0とかで負けたりするんだから、色んな意味で痛みを伴なう。

そしてそれが、「恐怖心」へと繋がって行くのであった。

オランダの見せたワンサイドゲーム

この試合で対戦したオランダとデンマークの両国は、よく似た特徴を持つチーム同士である。

ともに北欧系の、長身が特徴的な人種構成。
また、両国ともアタッキング・フットボールを伝統として、ウイングを置いたワイドな戦術を好む。

そして前の記事でも書いたとおり、そんな同タイプのチーム同士の試合では、実力差がもろに出ることが多い。
そのジンクスの通り、この試合もオランダが一方的に攻め続ける展開となった。

今大会のオランダは、相変わらず華麗である。
中盤では流れるようなポゼッションサッカーでボールを支配し、前線に目を移せばロビン・ファンペルシー、ウエスレイ・スナイデル、ラファエル・ファン・デル・ファールトらが溜め息を誘うようなファンタスティックなプレーを見せつけた。

試合の最初から最後までデンマークを圧倒する、完全なワンサイドゲーム。

しかし、それでもオランダは2点しか挙げられなかった。
これはオランダの決定力不足と見るべきか、それともデンマークのディフェンス力のなせる技だと見るべきか。

僕は後者だと思った。

圧倒的に攻め続けられながらも、デンマークは落ち着いていたように見えた。
落ち着きすぎて、攻撃でもこれといった見所を作れなかったほどである。

それでもこれだけ攻められ続けながらも、2失点でしのいだことは特筆に値するのではないだろうか。

これがもしアフリカのチームだったりしたら、イライラしてラフプレーに走りカード連発、退場者を出して守備が崩壊し、大量失点でお疲れさまでした…という展開が眼に浮かぶようだけれども、デンマークは違ったのだ。

オランダの猛攻を受けても2点しか取られなかったデンマーク。
日本がこのチームから得点を奪おうと思ったら、かなり難易度の高いミッションになりそうである。

恐怖心と向き合う一流プレーヤー

デンマークを押し込み続けたオランダを観て、ぼくは自分の部活時代のことを思い出した。

今大会のオランダは間違いなく強い。
ここ10年のオランダ代表の中でも、最強レベルだと言えるかもしれない。
少なくとも、日本が初戦で勝ったカメルーンとは比べ物にならないレベルにあるだろう。

このオランダ代表と次戦で対戦する日本は、けっこうな恐怖感を感じているのではないだろうか。

イタリア代表の守護神ブッフォンも、この大会に臨むにあたって「恐怖を感じている」と語っていた。
ブッフォンほどの超一流選手でも恐怖心を持つようである。

ただ真の一流とは、その恐怖感を前向きなモチベーションに転化できる選手のことだろうと思う。

そんなハートの強い選手が、日本代表には何人いるのだろうか。

そんな選手たちの活躍が、週末に迫った日本 x オランダ戦の命運を左右するのではないかと、僕は思った。

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