自らの首を締めた凡戦/ワールドカップ・グループC@イングランド代表 0-0 アルジェリア代表

以前にも書いたけれども、僕は今大会の優勝候補にイングランドを挙げている。

監督の采配力と選手層が最もバランスが取れているように思う、というのがその理由だ。

しかしそのイングランドが、いきなりのピンチに立たされている。
実際にはあと1時間ちょっと後にはグループリーグの結果が出てしまうのだけど、現実的にイングランドのグループリーグ敗退もあり得る展開となってきてしまった。

その直接のきっかけとなったのが、このアルジェリア戦である。

大きな動きの無いまま終わった凡戦

ディフェンスには定評のある両チームだけに、この試合も立ち上がりから、しっかり守ってから攻撃に移るという堅実な試合展開となった。

序盤はややイングランドが優勢に進めるものの、決定的な場面は作ることができない。
対するアルジェリアも防戦一方ではなく、司令塔のテクニシャン、カリム・ジアニを中心に何度か好機をつくる。

人数をかけて守るアルジェリアに対して、その堅守を攻めあぐねるイングランド。
試合は徐々にイングランドが「持たされている」ような展開にはまってしまう。
そしてけっきょく、大きな動きの無いまま前半は終了した。

とりあえずは抑揚なく終わった前半。
しかし後半には、イングランドも勝負をかけに出るのかと思われた。

ところが迎えた後半は、前半に輪をかけて単調な凡戦となってしまう。

イングランドの攻撃は、まるで何かに取り憑かれたかのように全く得点の匂いがしなかった。
それどころか、ほとんど無気力とも思えるほどの軽いプレーからつまらないミスを連発し、とても優勝候補とは思えないような低レベルな攻撃に終始する。

対するアルジェリアは体を張った守りでイングランドのチャンスの芽を摘み、カウンターから活路を見出す戦術をとる。
しかしこちらも、イングランドの堅守の前にはこれと言ったビッグチャンスはつくれずに時間が過ぎていった。

けっきょく試合は大きな見せ場のないままタイムアップ。

スコアレスドローで、両軍が勝ち点1を分け合う格好となった。

ピンチに立たされたイングランド

この日が 64歳の誕生日だったイングランドのファビオ・カペッロ監督。
しかしそのバースデーを白星で飾ることができなかったどころか、イングランド代表は僕がここまで観た中では、今大会最も退屈と言ってもいいほどの凡戦を演じてしまう。

しかもその原因は、相手のアルジェリアと言うよりも、大半がイングランドにあると言っていいような試合だった。
それくらいに、とにかくイングランドは酷いゲームを演じてしまったのだ。

その詳しい原因がいったいどこにあるのかは分からないけれども、とりあえずとてもじゃないけど優勝候補を名乗るにはふさわしくない、低調なプレーぶりである。
その迫力の無さには、次戦で対戦するスロベニア代表の関係者もかなり肩透かしを食らっていたそうだ。

この引き分けで勝ち点2となり、グループCの3位に転落してしまったイングランド。
次戦で、現在首位に立つ難敵・スロベニアに勝つことがかなりの確率で求められてくる、厳しい状況に立たされた。

この試合の後、たまりかねた選手同士がミーティングを開いたそうだけど、それをジョン・テリーがマスコミに口外したことで逆にカペッロ監督との摩擦が生まれるという事件も発生。

これはテリーが謝罪して収束したものの、グループリーグ敗退がシャレではなくなってしまうくらい、今のイングランドは歯車が大きく狂ってしまっている。

優勝候補はこの状況を修正して、再び決勝へ向けての一歩を踏み出すことができるのだろうか?

しかしこの状況を招いてしまったのは他でもない、この試合で全く魂の感じられない試合を行ってしまった、彼らたち本人なのである。

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