個人的な意見だけども、グループリーグは2位争いが面白い。

もちろん本命のシード国の試合も、面白いことに違いはない。
本命が負けることもあるし、事実今大会でも、フランスやイタリアがグループリーグで敗退する波乱が起きた。
でもやっぱり本命チームは、グループリーグを順当に通過する確率が高いのが普通である。

でも2位争いは、より予測がつきにくい。
それだけに2位争いの当該チーム同士の対戦は、緊迫感があってグッドゲームになることが多いように思う。

そしてこのチリとスイスの試合も、グループHの命運を左右する、実質的な2位争いチーム同士の対戦だった。

スイスをねじ伏せたチリの攻撃力

初戦でグループ最強と見られたスペインを相手に大金星を挙げたスイスと、ホンジュラスを相手に完成度の高いサッカーを見せつけたチリの対戦。
勝ち点3ずつで並ぶライバル対決でもあるこの試合は、まずチリが優勢に進める展開で幕を開けた。
持ち前の組織戦術と南米特有の個人技を組み合わせたチリは、その攻撃力でスイスを相手に主導権を握る。

しかしスイスも自慢の守備力でこれに対抗。
それぞれが持ち味を発揮する展開で緊張感のある立ち上がりとなった。

ただし、このバランスが崩れるのにさほど時間はかからなかった。
きっかけとなったのは 31分、スイスのバロン・ベーラミの肘打ちによる一発退場である。

この大柄な MFはセリエAやプレミアリーグで活躍するスター選手だけれども、僕が見る試合ではいつもこういうポカをやらかしているイメージである。
このベーラミの軽率なプレーによって、それまで均衡していたバランスは大きくチリに傾くことになる。

その後は一方的なチリペース。
一気にスイスを押し込んでいくチリが、次々とチャンスを演出していった。

しかし、その前に立ちはだかったのがスイスの GK、ディエゴ・ベナーリオである。

初戦のスペイン戦でも数々のビッグセーブを決めて奇跡的勝利の立役者となったベナーリオは、この試合でもそのクオリティの高さを見せつけて、襲いかかるチリ攻撃陣の猛攻を次々とスーパーセーブ。

ヴォルフスブルグで長谷部誠のチームメイトでもある絶対守護神の活躍で、スイスは後半残り 15分というところまでチリの攻撃を凌ぎきっていた。

ただ、それにも限界はあった。

後半 75分、チリの 10番、ホルヘ・バルディビアのスルーパスに抜け出したエステバン・パレデスが GKベナーリオをかわしてゴール前へ折り返し。
このボールをマルク・ゴンサレスが頭で押し込んで、チリがとうとう均衡を破った。

試合はこのままチリが逃げきってタイムアップ。

チリが2連勝として、決勝トーナメントに向けて大きな勝ち点3を手に入れた。

不用意なレッドカードの代償

結果は順当なものだったけども、悔やまれるのはベーラミの退場である。
この退場でスイスは勝ちの見込みがほとんんど無くなってしまったと言ってもいい。
このたった1枚のカードで、試合の大勢が決してしまったように僕は思った。

この大会は心なしかレッドカードが多く出ているような印象があるけれども、やはり一方のチームの人数が減ってしまうと、ゲームのバランスは大きく崩れることになってしまう。

それはルールなので仕方がないところだけども、各チームは不用意なカードをもらわないように注意を払う必要はあるだろう。

国の威信を賭けて戦う4年に1度の祭典、ワールドカップ。
その大舞台で、選手自身と代表チームの未来を大きく左右してしまうことを考えれば、この軽率なラフプレーの代償はあまりも大きい。

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